飲食店が店頭に自販機を置いて、自店の冷凍メニューを販売するケースが増えている。コロナ禍での非接触サービス・売上対策として注目され始めた自販機だが、設置のメリットは多く、一つのビジネスチャンスになる可能性が見えてきた。そこで今回は飲食店の自販機ビジネスについてまとめる。
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盛り上がる自販機ビジネス
コロナ禍で中食市場が伸びている。デリバリーやテイクアウトに加え、最近は自販機ビジネスも盛り上がりつつある。大手では、牛丼チェーン『松屋』が2021年11月に冷凍自販機を導入。第1号を東京都江東区の店舗に設置し、「米国産牛めしの具」「オリジナルカレー」など定番商品の販売を始めた。同社では設置店舗を徐々に増やしている。
全国的には餃子の冷凍自販機が急増している。後押しとなっているのは、無人店舗販売の『餃子の雪松』の大成功だろう。自販機なら既存の店舗の敷地内に設置して手軽に始められるため、急増したと考えられる。ここ1年ほどでは、個人店での設置も目立つ。焼き立てパン、ラーメン、焼き芋、ビーフン、もんじゃ焼き、さらには寿司……と、販売メニューは広がりを見せている。
冷凍自販機の設置にはメリットが多い
自販機での販売のメリットは、非接触、24時間営業だけではない。次のようなメリットが考えられる。
・無人で販売できるので人件費を削減できる
・商品の補充が簡単にできるように開発されているため、スタッフ誰でも対応ができる
・認知度の拡大と新しい顧客層の開拓ができる
・さまざまな種類のキャッシュレス決済に対応できる機種を選べば、販売機会を増やせる
・利便性が高いため、価格が高い商品でも購入ハードルが下がる傾向がある
さらに、冷凍販売にすれば賞味期限が長くなり、食品ロスを削減しながら売上を底上げできる。上手く運用できれば経営の大きな武器になるはずだ。
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自販機ビジネスを始めるには?
自販機ビジネスに注目が高まる中、シェアを拡大しているのがサンデン・リテールシステムが開発した「ど冷えもん」だ。食品の特性を踏まえ多彩な梱包形式の商品を販売できるようになっているのが特徴で、2021年1月末に発売されると、上半期だけで全国から1000台以上の注文が集まったという。
また、富士電機は今年2月、大容量の冷凍自販機「FROZEN STATION」を発売した。同社では脱炭素社会の実現を目指す取り組みを強化しており、年間消費電力量が2,000kWh、月間の電気代は4,500円と省エネであることがひとつの特徴だ。
ちなみに冷凍機能を持つ自販機は高額で1台数百万円するのが一般的だ。ただし、中古、リースと導入の方法はいくつかあるため、自店に合ったスタイルが見つかるはずだ。
また、2021年6月1日の食品衛生法改正により、自販機での取り扱い規定が一部緩和されたため、自販機ビジネスは進めやすくなっている。販売機内での調理を必要としない冷凍食品を補充するだけの自販機は、厚生労働省の「食品衛生申請等システム」から設置の申請をすることも可能だ。疑問点や不安がある場合は、店舗の所在地を管轄する保健所への問い合わせから始めたい。
自販機導入に使える補助金も!
補助金の中には自販機導入に使えるものもある。一例を紹介する。
■事業再構築補助金
ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、飲食店を含む中小企業の事業再構築を支援するもの。
■小規模事業者持続化補助金
飲食店を含む小規模事業者等の地道な販路開拓等の取り組みや、業務効率化の取り組みを支援するもの。
地域や立地、商品により出せる売上・利益に違いはあるものの、冷凍自販機の設置は、長引くコロナ禍、慢性的な人材不足などにより発生している課題解決にも役立つと期待できる。新しい販売チャネルとして検討してみてはいかがだろうか。
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