パーソナライズとは、顧客一人ひとりの属性や購買履歴などのデータをもとに、適正な商品やサービスなどを提供する手法だ。EC運営を進める中で、パーソナライズの概要やメリットなどを把握しておくことは不可欠と言えるだろう。
今回は、パーソナライズの意味や必要とされる理由の他に、「BtoB」「BtoC」におけるパーソナライズの相違点や取り入れるメリット、活用する上での注意点を紹介する。パーソナライズを活用する際の参考にしてほしい。
目次
●パーソナライズとは
●パーソナライズが必要とされる理由
●「BtoB」「BtoC」におけるパーソナライズの相違点
●パーソナライズを取り入れるメリット
●パーソナライズを活用する上での注意点
●まとめ
パーソナライズとは
近年、マーケティングの手法として注目されている「パーソナライズ」という言葉だが、具体的にどのようなことを指すのだろうか。まずは、パーソナライズの意味と「カスタマイズ」や「レコメンド」との違いについて見ていこう。
パーソナライズの意味
「パーソナライズ」とは、顧客一人ひとりの属性や興味関心、購買履歴に応じて最適な情報やサービスを提供する手法やしくみを意味する。
不特定多数の顧客に向けてCMや同じ内容のDMを発送する従来のマーケティング手法とは異なり、パーソナライズは、顧客それぞれに合わせて提供する情報を変化させることが可能だ。そうすることで、より多くの顧客獲得が期待できる。
「カスタマイズ」「レコメンド」との違い
パーソナライズと同じような言葉として、「カスタマイズ」と「レコメンド」がある。
パーソナライズとカスタマイズの違いは、「誰が行うか」と言える。企業側がサービスを提供するパーソナライズに対し、「カスタマイズ」は、顧客自身が自分の好みに合わせて欲しい情報を使いやすいように設定することを指す。
パーソナライズとレコメンドの違いは、「誰の情報をもとにしているか」だ。顧客一人ひとりの行動データをもとに情報提供するパーソナライズに対し、「レコメンド」は、複数のユーザーの購買履歴などをもとに、同時購入率の高い商品などをおすすめとして表示する手法である。
パーソナライズが必要とされる理由
「パーソナライズ」が必要とされる理由は、「顧客のニーズの多様化」にある。
ニーズの多様化は、インターネットやスマートフォンの普及が背景にある。顧客自身が自分の欲しい情報を取捨選択できる時代になったことで、不特定多数の消費者に対する一方的なマーケティングだけではモノが売れない時代へと変化した。
このような状況のなか注目を集めるようになったのが、個人の属性にあわせて情報提供を行う「パーソナライズ」なのだ。
「BtoB」「BtoC」におけるパーソナライズの相違点
顧客によって、パーソナライズの手法は異なる。企業向けとなる「BtoB」と、個人顧客向けの「BtoC」におけるパーソナライズの相違点について詳しく見ていこう。
BtoBの場合
企業間取引となる「BtoB」では、購入に至るまでに複数人が関わり、契約までに長い時間がかかることが一般的だ。顧客によってニーズや検討段階が異なるケースが多く、パーソナライズを活用したマーケティングが重要な施策となっている。
例えば、パーソナライズによって得られた情報をもとに、顧客に応じたメール・ブログ配信などを行う手法が挙げられる。顧客が必要としている情報をベストなタイミングで提供することで、商談獲得など自社の利益向上に結びつけることが可能だ。
BtoCの場合
個人向けとなる「BtoC」においては、検討から購入までの時間がBtoBに比べて短くなることが多い。顧客ニーズをつかみやすいため、購入や閲覧履歴のデータをもとにしておすすめ商品を紹介するほか、インターネットの検索履歴から情報を得て、検索エンジンで広告を配信するといったアプローチ方法がとられる。
パーソナライズを取り入れるメリット
EC運営を行う際、パーソナライズを取り入れることで得られるメリットについて詳しく確認していこう。
顧客との信頼関係の構築
パーソナライズを取り入れることで、個人に特化した情報提供が可能となる。パーソナライズ化した情報を提供し続けることで、顧客満足度の向上につながりやすく、顧客との信頼関係構築が期待できるだろう。
既存顧客の囲い込み
上記で述べた顧客との信頼関係の構築は、安定的な売上や利益につながるとも言える。既存顧客の囲い込みを可能にし、継続的な商品やサービスの利用が見込めるためだ。
また、既存顧客の口コミや要望といったリアルな反応を、商品開発やサービス改善に役立てていくことで、長期にわたる良好な関係性を築きやすくなる。
効率的なマーケティング施策の実行
マーケティングにおいて、情報の精度を高めることは最も重要なことだ。パーソナライズの導入によって、顧客一人ひとりにフォーカスした精度の高い情報を得られるだろう。「誰に、どのような内容を、どのような方法で届ければよいのか」という検証が可能となり、より効果的なマーケティング施策を実行しやすくなる。
潜在顧客の取り込み
インターネットサイトやアプリに訪れた顧客によっては、自身の本当のニーズに気づいていないケースも少なくない。パーソナライズを活用し、顧客の情報を深く分析しアプローチしていくことで、新たなニーズの掘り起こしにつながり、認知拡大を図ることも可能だ。
パーソナライズを活用する上での注意点
顧客一人ひとりに合わせて最適な情報を提供するパーソナライズだが、活用を検討する上では、注意点についても把握しておくことが重要だ。どのような点に気を付けるとよいのか、確認していこう。
情報が偏り過ぎると購入意欲に影響する
パーソナライズは、顧客の行動や興味関心などをもとに情報を提供できることが大きな強みだ。一方で、提供する情報に偏りが生まれ、顧客が受け取る情報の幅が狭まる可能性がある。
情報が偏り過ぎると、欲しい情報が得られないと感じ購入意欲に影響する場合も考えられるだろう。必要に応じて、顧客自身が情報をカスタマイズできるなどの柔軟性が求められる。
顧客が求めている情報とは限らない
パーソナライズの情報は、必ずしも顧客が求めている情報と同じではないことも念頭に置くことが大切だ。
人の好みや必要としている情報は、時間の経過やタイミングによっても異なる。不必要な情報を提供し続けることで、顧客離れを引き起こす可能性もある。変化していく顧客のニーズや属性を敏感に察知し、アップデートし続けていくことが重要だ。
まとめ
パーソナライズは、顧客一人ひとりのニーズに合わせて情報を提供するマーケティングの手法だ。顧客のニーズが多様化する昨今、顧客と企業の結びつきを強めるパーソナライズはますます重要視されていくだろう。パーソナライズの強みや注意点を理解し、マーケティング戦略に役立てていってもらいたい。
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