つみたてNISAおすすめ口座の選び方
つみたてNISAの口座を開設する際には、証券会社や銀行といった金融機関に口座を開設する必要があります。しかし、つみたてNISAの口座は1人ひとつまでしか持てません。そのため、口座開設は慎重に選ばなければなりません。
人によって、金融機関に口座を開設するときに重要視するポイントは異なります。例えば、「規模の大きい金融機関がよい」という方もいれば、「とにかく手数料の安いところがよい」「または少額から始められるところがよい」などとさまざまです。
ここでは、つみたてNISAの口座を開設する際に押さえておきたいポイントを解説します。 口座開設数や取り扱い銘柄数など、参考にしてください。
手数料
つみたてNISAに限らず、金融機関に口座を開設する際、最も多くの方が気にするのが「手数料やコスト」ではないでしょうか。しかし、実はどの金融機関を選んでも、つみたてNISAの投資では売買時の手数料がかかりません。そのため、この証券会社で口座を開設すればお得、ということはないのです。
つみたてNISAで銘柄を購入してかかるコストには「信託報酬」という手数料があります。信託報酬とは、投資信託の運用や管理にかかる費用のことです。投資信託の投資運用をしている人への報酬額とイメージするとわかりやすいでしょう。
信託報酬は手数料のように目に見えるかたちで「〇〇円」とは表示されません。預けている全ての資産の中から、毎日投資信託ごとに決まった利率が引かれています。信託報酬は、投資信託を運用するための費用のため、高ければ悪い、低ければよいというものではありません。大切なのは自身の相場観に合った投資信託を選ぶこと、その銘柄を扱っている金融機関を選ぶことです。
口座開設数
「多くの人が口座を開設しているメジャーな証券会社がよい」と感じている方には、SBI証券と楽天証券がおすすめです。SBI証券と楽天証券は、どちらも過去にNISA口座開設数ナンバーワンの評価を得ています。
SBI証券はIPO(株式の新規上場)の取り扱い銘柄が多く、外国株式の取り扱いも9ヵ国と幅広く展開しています。そのため「つみたてNISAに慣れたら他の投資も始めてみたい」という方にはSBI証券がおすすめです。
楽天証券は新規口座開設数ナンバーワンというだけあって、初めて口座を開設する方が多いようです。口座開設で楽天ポイントが付与されるといったユーザーに嬉しいキャンペーンも行っていることがあるため、ポイント還元にも期待ができます。楽天で買い物をする方や楽天カードを持っている方は楽天証券を選ぶとよいでしょう。
取り扱い銘柄数
つみたてNISAで購入できる銘柄は金融庁が指定した194本の投資信託とETF(上場投資信託)のみです。しかし、各金融機関はその中から商品を絞って提供しています。取り扱っている銘柄の多い金融機関であれば、選択肢が広がるので口座を開設する際の参考にしてください。
楽天証券のつみたてNISAは179銘柄の中から選べます。ネット証券としては最も多い選択肢がある証券会社となっています。
SBI証券は楽天証券に次いで多く、176銘柄を取り扱っています。松井証券では172銘柄を取り扱っており、3番目に取り扱い数が多い証券会社です。
前述した通り、つみたてNISAの銘柄は金融庁に定められています。そのため、メジャーな銘柄であればほぼ確実にどの金融機関でも購入が可能です。
そんなときにおすすめしたいのが、つみたてNISA以外で取り扱っている投資信託の多さ。つみたてNISAに慣れたら、分散投資として他の投資信託にも目を向けてみてください。例えば「つみたてNISAでは米国株投信を持っているから、世界の株式や日本株に投資をしている投資信託も購入したい」といったパターンです。
その点では、SBI証券は取り扱い投資信託が2683銘柄、楽天証券が2672銘柄とかなり僅差になっています。次いで、松井証券が1572銘柄となっていますので、口座開設の参考にしてみてください。
ポイント
つみたてNISAは、どの金融機関で購入しても売買にかかる手数料は無料です。口座管理料もかかりません。同じ銘柄であれば、運用中にかかる信託報酬も同じになります。そのため、つみたてNISAで各社が差別化できる点に「ポイント」といった独自のサービスが挙げられます。
楽天証券は楽天カードでつみたてNISAを買付すると、積立金額100円につき楽天ポイントが1%貯まります。楽天ポイントを利用した積立も可能です。
SBI証券は、投資信託の買付でTポイントやポンタカードのポイントが貯まります。また、つみたてNISAに限定すると、三井住友クレジットカードで決済することでVポイントを受け取れます。
松井証券でも「MATSUI SECURITIES CARD」で決済すると通常の買い物でもポイントが貯まります。貯まったポイントで投資信託の積立も可能ですが、つみたてNISAには対応していません。ただし、松井証券で貯めたポイントはドコモのdポイントに交換できるため、ドコモユーザーの方におすすめです。
最低積立金額
つみたてNISAの最低積立金額は各金融機関によって異なります。投資初心者の場合、いきなり数万円を投資に回すことは勇気がいるでしょう。そのため、最低積立金額の低い金融機関に口座を開設することをおすすめします。
楽天証券では各商品100円以上1円単位で積立が可能です。つみたてNISA以外の投資信託も100円から投信積立ができるので、投資初心者で、楽天市場をよく利用する方は口座を開設する参考にしてください。
SBI証券でも最低100円から資産形成が可能です。一部アムンディ(欧州を代表する資産運用会社)の設定している銘柄は100円では買えませんが、投資初心者が最初に選びたいメジャーな銘柄は100円で買えるので安心してください。
松井証券でも最低100円以上1円単位でつみたてNISAが買付可能です。
積立頻度の自由度
「毎月設定金額を決めて買付するもの」というイメージが強いつみたてNISAですが、積立の頻度を選ぶことが可能です。
SBI証券は「毎日」「毎週」「毎月」の頻度で選べます。毎日とはいえ、土日祝日といった営業日以外は買付不可です。また、年2回のボーナス月のみ買付額を増額できる制度もあるので利用するとよいでしょう。またSBI証券の特徴のひとつに「NISA枠ぎりぎり注文」というものがあります。
例えば毎月3万5000円を積立すると、年額42万円になってしまい年間40万円のNISA枠を超えてしまうため、買付ができない場合があります。SBI証券はそんなときは自動で金額を調整してくれる制度があるため、枠を最大まで利用することが可能です。
楽天証券は「毎日」と「毎月」で買付が選択できます。楽天カードで決済する場合、積立指定日があらかじめ指定されており、変更できないので注意が必要です。楽天証券でもボーナス月の増額設定は可能ですが、楽天カードでの決済の場合ボーナス設定ができません。
マネックス証券でも月々100円から「毎日」と「毎月」の2つから選べます。ボーナス月には増額設定ができるので、年間40万円きっちり枠を使いたい方は金額を調整して利用するとよいでしょう。
ツールの使いやすさ
投資初心者の場合、金融機関で利用できるツールが気になる方も多いです。口座を開設する前に、口座が使いやすいか、ツールは操作が簡単かどうかもチェックしておきましょう。
楽天証券では「らくらく投資」というツールが利用できます。簡単な質問に答えるだけで、ユーザーの性格やニーズにあった最適な投資コースをアドバイスしてもらえます。着せ替えで楽天のキャラクター「おかいものパンダ」が選べるので、可愛いキャラクターと投資について学びたい方にはおすすめです。
SBI証券では「かんたん積立アプリ」で投資初心者の資産形成をサポートしてくれます。簡単な質問に答えると、ユーザーに最適なポートフォリオを提案してくれます。後は自分の価値観と合った銘柄の積立頻度や金額を設定するだけなので、初心者でも簡単に投資が始められます。
マネックス証券ではつみたてNISAに特化したツールはありませんが、資産運用サポートツールである「MONEX VISION」が利用可能です。つみたてNISAを始めた後で「自分の資産運用はこれで大丈夫かな?」と不安や疑問を感じることがあるでしょう。「MONEX VISION」は投資に関する簡単な質問に答えると、100歳までの収支をグラフで表示してくれ、追加購入や買い替えについてのアドバイスも見られます。「つみたてNISAを買った後でも、資産運用のアドバイスやサポートを受けたい」という方にはマネックス証券のツールが心強い味方になってくれるでしょう。
支払方法
金融機関によってはつみたてNISAの買付が、クレジットカードではできない場合や、反対に銀行引き落としができない場合があります。クレジットカードでポイントを貯めている方であれば、クレジットカードでつみたてNISAの買付ができる金融機関を選ぶとよいでしょう。
楽天証券では、楽天カードでクレジット決済が可能です。決済額に応じて100円で1ポイントの楽天ポイントが付与されるため、ポイントを貯めている方には楽天証券が向いています。ただし、楽天カードで買付をする場合、日付は毎月1日か8日に限定されます。MRF(証券口座)や指定金融機関からの引き落としも可能です。
SBI証券では、各種クレジットカードと指定銀行の引き落としで、MRF(証券口座)からの買付が可能です。三井住友カードのクレカ投信を利用するとVポイントが貯まります。
マネックス証券では、マネックスカードによるクレジットカードと指定の金融機関からの口座引き落とし、MRF(証券口座)からの買付が選べます。マネックスカードの利用は2022年1月以降になります。
つみたてNISAにおすすめの証券口座8選
つみたてNISAでは、SBI証券や楽天証券など人気の証券口座も多くあります。その中でもおすすめの証券口座を、以下に8選ご紹介します。
楽天証券
新規口座開設数がナンバーワンの楽天証券は、初心者に優しいサービスを多く展開しています。特に、口座を開設することで楽天ポイントが付与されるキャンペーンや、楽天銀行の口座開設や楽天カードの新規入会でポイントがもらえるキャンペーンなど、楽天を利用する方には嬉しいサービスを行っている時期もあります。
加えて、100円から投資を始められる点も、初心者にもハードルが低いでしょう。専用ツールの「らくらく投資」では、楽天のキャラクターである「おかいものパンダ」と一緒に自分に最適な銘柄を選ぶことが可能です。
取り扱いも179銘柄と幅広く、日本株、米国株はもちろんのこと、新興国や全世界株式など銘柄による分散投資が叶います。例えば「日本株と米国株2つの銘柄でつみたてNISAを始めたい」というように、投資先を分散することでリスクも分散できます。
取り扱い銘柄数 | 179銘柄 |
手数料 | 口座開設料、買付手数料無料 |
最低積立金額 | 100円 |
積立頻度の自由 | 毎日・毎月 |
ツール名 | らくらく投資 |
ポイント | つみたてNISAを楽天カード決済にすると100円につき1ポイント楽天ポイント付与 |
支払方法 | 指定金融機関での引き落とし・楽天カード・MRFからの買付 |
楽天証券のメリット
楽天証券を利用する一番のメリットは、「楽天ポイント」が貯まる点でしょう。つみたてNISAの買付に楽天カードを設定することで、100円につき1ポイントが貯まり、最大5万円まで設定可能です。
例えば、毎月楽天カードで1万円つみたてNISAの買付を行うと、楽天ポイントが100ポイント、年間で1200ポイント貯まります。貯めたポイントは、楽天市場や楽天モバイル、楽天ポイント提携店での決済の他に、積立額に充当が可能です。
また、楽天証券では100円から買付が可能であり、ツールの「らくらく投資」を利用することで初心者でも自分に最適な銘柄を選定してもらえます。楽天ポイントを貯めている方、投資初心者の方であれば楽天証券で口座を開設するとよいでしょう。
楽天証券のデメリット
楽天証券は、つみたてNISAに関してのデメリットはないといえます。強いていうなら、積立頻度の設定に注意が必要な点です。楽天カードでつみたてNISAの毎月買付を行う場合、買付日は1日か8日になるので、自分の好きな日付には設定できません。
以前は楽天証券にはつみたてNISA専用のアプリがないことがデメリットのひとつといわれていました。しかし現在では、スマートフォンやタブレット用の画面があるため、問題なくページの閲覧が可能です。
つみたてNISA以外でのデメリットとしては、楽天証券は単元未満株を取り扱っていない点です。例えば通常100株単位で買う銘柄を1株だけ、10株だけなど単位未満で買うことを「単元未満株」や「ミニ株」と呼びます。楽天証券では単元未満株を買付できません。そのため、つみたてNISA以外でも少額で株式投資を始めたいという方にはこの点がデメリットといえるでしょう。
楽天証券の評判/口コミ
SBI証券
SBI証券は国内株式個人取引シェア、NISA口座開設数ナンバーワンの証券会社です。人気の秘訣はつみたてNISAに限らず、幅広いサービスを展開している点でしょう。
つみたてNISAは100円から積立が可能であり、業界で唯一「毎日」「毎週」「毎月」の頻度で買付日が設定できます。「月に1回ではなく、もう少し時間を分散して投資をしたい」という方におすすめです。
また、「つみたてNISAぎりぎり注文」も大きなメリットのひとつです。つみたてNISAで買付できる枠は年間40万円と決まっています。例えば、毎月3万5000円で買付を行っていた場合、11ヵ月で38万5000円買付するため、最後の月は1万5000円しか枠がないことになります。
そんなとき、通常はつみたてNISAの買付自体ができず、枠が余ってしまうケースがほとんどです。しかし、SBI証券の「つみたてNISAぎりぎり注文」であれば1万5000円での買付を自動で行ってくれるので枠の取り残しがありません。
つみたてNISA以外でも投資信託の銘柄を幅広く扱っており、海外の株式やIPO(新規公開株)にも投資が可能です。そのため「つみたてNISAを時間的に分散して買いたい」「枠を最大限に活用したい」「つみたてNISA以外にも投資の幅を広げていきたい」という方にはSBI証券がおすすめです。
取り扱い銘柄数 | 176銘柄 |
手数料 | 口座開設料、買付手数料無料 |
最低積立金額 | 100円 |
積立頻度の自由 | 毎日・毎週・毎月 |
ツール名 | かんたん積立 |
ポイント | ・三井住友クレジットカードによる積立でVポイント付与 ・取引に応じてTポイントやポンタポイント付与 |
支払方法 | 指定金融機関での引き落とし・クレジットカード・MRFからの買付 |
SBI証券のメリット
SBI証券はつみたてNISAのサービスが充実している点が最大のメリットです。特に年間40万円のつみたてNISA買付可能額を最大限に利用できる「つみたてNISAぎりぎり注文」と「毎週好きな曜日」を指定して買付ができるサービスは他にはありません。
時間的にリスクを分散したい方や、つみたてNISAの買付限度枠をめいっぱい利用したい方にはおすすめの証券会社といえるでしょう。また、つみたてNISA以外にも投資のラインナップが充実している点もメリットのひとつ。
特にIPO(新規公開株)は2021年3月通期の全新規上場会社数のうち93%の銘柄を取り扱っています。そのため、つみたてNISA以外に、株式投資に興味がある方はSBI証券での口座開設を検討してみるとよいでしょう。
SBI証券のデメリット
SBI証券のデメリットとしては、つみたてNISAのみではポイントが貯まりにくい点です。通常の株式投資や投資信託の買付などでTポイントが貯まりますが、つみたてNISAは対象外です。そのため、つみたてNISA以外の投資に興味がない方の場合、Tポイントが貯まらないので注意しましょう。
SBI証券の評判/口コミ
マネックス証券
マネックス証券は開設口座数が196万口座、預かり残高5.2兆円と、ネット証券会社の大手です。つみたてNISA以外でも、ワン株(単元未満株)や貸株サービス、マネックスアドバイザーなど幅広いサービスを展開しています。
つみたてNISAに関しても、月100円から投資が可能であり、投資頻度も毎日と毎月、151銘柄の中から投資先を選択できます。マネックス証券の特徴は、米国株に力を入れている点と、高性能なツールが多く開発されている点です。
「MONEX LABS TOOLS」と呼ばれる資産運用サポートサービスが広く知られています。簡単な質問に答えると、自身の人生の収支がシミュレーターに表示されます。その後、追加投資先や買い替えを検討すべきものなどをアドバイスしてくれるので、投資初心者には嬉しいツールでしょう。
また、米国株の情報をわかりやすく解説するセミナーといった情報発信にも力を入れているため、投資初心者でも相場レポートが入手しやすくなっています。
取り扱い銘柄数 | 151銘柄 |
手数料 | 口座開設料、買付手数料無料 |
最低積立金額 | 100円 |
積立頻度の自由 | 毎日・毎月 |
ツール名 | MONEX VISION |
ポイント | 投資信託の保有でマネックスポイント付与 |
支払方法 | 指定金融機関での引き落とし・クレジットカード・MRFからの買付 |
マネックス証券のメリット
マネックス証券は高性能なツールとマネックスポイントが特徴です。投資信託を保有していると「投信月内の平均残高×0.08%」がマネックスポイントとして付与されます。このポイントはドコモのdポイントやAmazonのギフト券、ANAやJALのマイルなど他のポイントサービスに交換することが可能なので、上記のポイントを貯めている方には嬉しい特徴といえるでしょう。
また、資産運用のアドバイスをしてくれる「MONEX VISION」や、株式投資の分析や自身の投資力がはかれる「MONEX投資力診断」など多彩なツールが利用可能なのも大きなメリットといえます。
加えて、米国株の取り扱いに力を入れているので、つみたてNISA以外に米国の株を買いたいと考えている方にはおすすめです。マイレージを貯めている方や、自身の資産運用に関してアドバイスが欲しい方、米国株に興味がある方はマネックス証券での口座開設を検討してみるとよいでしょう。
マネックス証券のデメリット
つみたてNISAの買付頻度が毎日か毎月しか選べない点がデメリットといえるでしょう。リスクを分散するという観点から見ると、買付頻度は細かいに越したことはありません。
また、マネックス証券は2021年12月現在、つみたてNISAのクレジットカード決済に対応していません。マネックスカードを利用してつみたてNISAを買付するとポイントが付与されるサービスを今後展開予定ですが、2022年1月頃になるといわれています。
マネックス証券の評判/口コミ
松井証券
松井証券は創業1918年と100年以上続く証券会社の老舗です。特徴的なのは手厚いサポート体制。口座を開設していないユーザーにも、口座開設手続きを案内してくれることはもちろん、結婚や育児、住宅購入、老後資金などのライフイベントに備えたマネープランをアドバイスしてくれる「マネープランサポート」が受けられます。
通常、ネットの証券会社の場合、自身の投資に専門家が個別にアドバイスをするサービスはありません。AIが自動的に診断してくれるところはありますが、電話で専門家から資産運用・形成にかかるアドバイスがもられるのは松井証券の大きな特徴といえます。
そのため「つみたてNISAを始めた後も、専門家に資産運用に関する相談をしていきたい」という方には松井証券がおすすめでしょう。
取り扱い銘柄数 | 172銘柄 |
手数料 | 口座開設料、買付手数料無料 |
最低積立金額 | 100円 |
積立頻度の自由 | 毎月のみ |
ツール名 | 投信アプリ |
ポイント | 投資信託の保有金額に応じて現金または松井ポイント付与 |
支払方法 | MRFからの買付 |
松井証券のメリット
松井証券は100円からつみたてNISAが始められるため、投資初心者でもハードルが低い点が特徴です。さらに、元々窓口で対面営業をしていた金融機関ということもあり、サポート体制が充実しています。電話や専用フォームによる問合せはもちろんこと、リモートサポートによってパソコン画面の操作方法を案内してもらうことも可能です。
加えて、資産運用に関する相談が受けられるのも大きなメリット。自身の資産運用に関する相談を専門家に相談できるので、投資初心者の方や、誰かに相談しながら資産を形成していきたいという方におすすめです。
サポート力の手厚さは第三者機関からも証明済み。HDI-Japan(ヘルプデスク協会)主催の2019年度問合せ窓口格付け(証券業界)において、最高評価である「三つ星」を9年連続で獲得しています。
投資に関するアプリも充実しており、代表的なものが「投信アプリ」による「投信工房」です。8つの簡単な質問に答えるだけで、自分に最適な資産の組み合わせを提案してもらえます。どの銘柄がするか決められないという方におすすめです。
松井証券のデメリット
松井証券のデメリットは、つみたてNISAの買付頻度が「毎月」しか選べないという点です。細かい頻度で買付を行いたい方は注意しましょう。また。松井証券では、取り扱い商品が投資信託のみとなっており、ETF(上場投資信託)は対象外です。ETF(上場投資信託)を購入したい方にはデメリットといえるでしょう。
松井証券の評判/口コミ
auカブコム証券
auカブコム証券とは、三菱UFJフィナンシャルグループとKDDIによるインターネット専業の証券会社です。auカブコム証券の特徴は、つみたてNISAの口座を開設すると現物株式の手数料が最大で5%割引になる点です。つみたてNISA以外にも株式投資を検討している方におすすめです。
また、30着の中から好きなドレスを選ぶだけでおすすめの銘柄を教えてくれる「FUND DRESS」は、色彩心理に基づいてユーザーの価値観を分析してくれるという珍しい投資ツールです。「銘柄が多すぎて何を選べばよいのかわからない」という方はもちろん、「直感的に銘柄を決めたい」という方にもおすすめのサービスといえるでしょう。
取り扱い銘柄数 | 163銘柄 |
手数料 | 口座開設料、買付手数料無料 |
最低積立金額 | 100円 |
積立頻度の自由 | 毎月のみ |
ツール名 | FUND DRESS |
ポイント | 投資信託の保有金額に応じてPontaポイントが貯まる |
支払方法 | MRFからの買付・指定金融機関からの引き落とし |
auカブコム証券のメリット
つみたてNISAの口座を開設すると、株式投資にかかる手数料が最大5%割引になるため、株式投資に興味がある方には大きなメリットといえます。
また、投資信託の月間平均保有残高に応じて、毎月Pontaポイントが貯まります。貯めたポイントは投資にまわせるので、Pontaポイントを保有している方におすすめの証券会社でしょう。
他にも、三菱UFJフィナンシャルグループとauじぶん銀行といった銀行系列の証券会社で、住宅ローンの金利がお得になるプランや、代理出金機能信託など相続や信託に関するサービスも展開しているのもauカブコム証券を利用するメリットです。
auカブコム証券のデメリット
auカブコム証券のデメリットは、つみたてNISAの買付頻度が毎月しか選べない点です。細かい頻度で買いたいという方には不向きといえるでしょう。またauカブコム証券にはETFの取り扱いがないため、つみたてNISAでETFを購入したい方は注意しましょう。
auカブコム証券の評判/口コミ
野村証券
野村証券は国内最大手の証券会社です。野村ホールディングスの2021年3月期の売上高は1兆超え。ネット証券の大手であるSBIホールディングスの売上高5000億を大きく上回っています。対面型の窓口営業が主ですが、オンラインで口座を開設してつみたてNISAを始めることも可能です。
業界最大手の野村証券のつみたてNISAは、とにかく始めやすいのが特徴です。取り扱い銘柄は厳選された7つのみ。ほとんどを野村アセットマネジメントが運用しています。先進国株式、外国株、日本株、バランス型と投資初心者がつみたてNISAを始めるのに必要な投資先がしっかりと網羅されています。信託報酬がかからない「野村スリーゼロ先進国株式投資」も扱っているため、コストを気にされる方にもしっかりと対応しています。
「銘柄数が多くて決められない」「どこの金融機関も同じ銘柄を取り扱っているから迷ってしまう」といった悩みがある方におすすめの証券会社といえます。
取り扱い銘柄数 | 7銘柄 |
手数料 | 口座開設料、買付手数料無料 |
最低積立金額 | 1000円 |
積立頻度の自由 | 毎月のみ |
ツール名 | なし |
ポイント | なし |
支払方法 | MRFからの買付・指定金融機関からの引き落とし |
野村証券のメリット
野村証券のつみたてNISAはとにかく始めやすいのがポイントです。野村証券が厳選した7銘柄のみの取り扱いのため、銘柄選びに悩んでいる方には最適といえます。
取り扱い銘柄数が多い方が選択肢は広がりますが、投資初心者がそれぞれの銘柄を調べ、投資先を決めるのは困難といえます。その点野村証券であれば、7つの銘柄と少なく、各々の投資先、投資方針もわかりやすいので簡単に選べるでしょう。
また、対面型の証券会社のため、実店舗の投資セミナーに参加が可能です。つみたてNISAを始めた後も、相場観や経済情勢について相談したり、知識を深めたりしたいという方には大きなメリットといえます。
野村証券のデメリット
野村証券で取引をするデメリットは、自由度が低い点といえるでしょう。銘柄が7つしかないため、すでに買いたい銘柄が決まっている方には不向きになります。どうしても他に買いたい銘柄があればつみたてNISAの口座ではなく、通常の証券口座で投資信託やETFを買付するという方法もあるので覚えておくとよいでしょう。
野村証券の評判/口コミ
SMBC日興証券
SMBC日興証券は、三井住友ファイナンシャルグループの証券会社。対面型の窓口営業を主としていますが、オンラインで口座を開設するダイレクト口座の設定も可能です。
1700本以上の経済記事を無料で読めるため、「これから投資の知識を深めたい」「つみたてNISA以外にも投資を始めたい」という方にもおすすめです。
オンライントレードがメインとなるダイレクトコースで口座を開設すると、さまざまな場面でdポイントが貯まります。貯めたポイントは株やETFなどの取引に利用できるので、dポイントを貯めている方は口座開設の参考にしてください。
取り扱い銘柄数 | 158銘柄 |
手数料 | 口座開設料、買付手数料無料 |
最低積立金額 | 1000円 |
積立頻度の自由 | 毎月のみ |
ツール名 | 金融電卓(積立シミュレーター) |
ポイント | 取引に応じてdポイントが貯まる |
支払方法 | MRFからの買付・指定金融機関からの引き落とし |
SMBC日興証券のメリット
SMBC日興証券は経済記事の配信やセミナーなど、学習コンテンツが充実しています。「とうしんLab.」ではさまざまなテーマに沿った銘柄が紹介されるため、投資に関する知識を深めたい方には大きなメリットといえます。動画の配信も充実しており、「Market羅針盤」や「日本株式投資戦略」など興味のある分野の動画を無料で閲覧できます。
また、「日興フロッギー+docomo」で専用アイコンのついた記事を読んだり、つみたてNISAで投信を積立したりするとdポイントが付与されます。貯めたポイントは投資に活用できるため、普段からdポイントを貯めている方には大きなメリットといえるでしょう。
SMBC日興証券のデメリット
SMBC日興証券のデメリットとしては、自由度が低い点です。積立頻度が毎月しか選べないので、高い頻度で買付をしたい方にはデメリットといえるでしょう。また、買付額も月1000円からのため、100円から投資を始めたいという方には不向きと考えられます。
SMBC日興証券の評判/口コミ
SBIネオトレード証券
SBIネオトレード証券は、以前はライブスター証券という名前でしたが、SBIグループの傘下に入ったことで2021年1月にSBIネオトレード証券へと名前が変わりました。SBIネオトレード証券は、日本株式と信用取引に集中して力を注いでいます。国内株式や信用取引、IPOに強みがあり、手数料も業界最安水準です。
取引商品を絞り込んでいるため、ユーザーの要望に応えた高機能な取引ツールを利用できます。そのため、SBIネオトレード証券はつみたてNISA以外に、日本株式や信用取引を始めてみたい方におすすめの証券会社といえます。
SBIネオトレード証券は、つみたてNISAで購入できる銘柄がひとつと限定されているのが大きな特徴です。日本株式に特化しているだけあって、唯一採用されているのは「ひふみプラス」のみです。「ひふみプラス」は日本の成長企業に投資を行う投資信託のこと。預かり資産は488億円以上、1年以内の運用成績は17.31%と、運用もしっかりしている投資信託です。
そのため、つみたてNISAで購入する銘柄を「ひふみプラス」に決めている方、日本株に投資を行いたい方、信用取引に興味がある方はSBIネオトレード証券で口座を開設するとよいでしょう。
取り扱い銘柄数 | 1銘柄 |
手数料 | 口座開設料、買付手数料無料 |
最低積立金額 | 100円 |
積立頻度の自由 | 毎月のみ |
ツール名 | なし |
ポイント | なし |
支払方法 | MRFからの買付 |
SBIネオトレード証券のメリット
SBIネオトレード証券は、数ある証券会社の中でも日本株式と信用取引に特化している証券会社です。株式投資と信用取引にかかる手数料が業界最安水準のため、つみたてNISAの他に日本株に興味がある方には口座開設に大きなメリットがあるといえます。
SBIネオトレード証券では、つみたてNISAで取り扱っている銘柄も、日本株式に投資を行う「ひふみプラス」だけとなっています。「海外市場に投資を行うのは怖い」「日本株式で資産運用をしたい」と考えている方には、迷わず始められるので嬉しい特徴といえるでしょう。
SBIネオトレード証券のデメリット
SBIネオトレード証券のデメリットは、投資先の自由度が低い点でしょう。日本株に特化しているので、米国や世界の株式に投資をしたいと考えている方には不自由と感じてしまうことも。
また、ネット証券では買付頻度が毎日、毎月、毎週と選べる企業が多い中、毎月しか選べないのもデメリットです。高い頻度で買付をして、リスクを抑えたい方には不向きでしょう。
SBIネオトレード証券の評判/口コミ
つみたてNISAとは
つみたてNISAは2018年1月からスタートした新しい資産形成のための非課税制度です。通常、投資で利益が出ると20%が課税されてしまいます。しかし、つみたてNISAは非課税になる期間が20年と長く、老後に向けて資産を形成したい方におすすめの投資手段です。
「つみたてNISAと普通のNISAはどう違うの?」「iDeCoとつみたてNISAの違いは?」という疑問を抱えている方も多いもの。
ここからは、つみたてNISAに関する素朴な疑問を解説していきます。
つみたてNISAの仕組み
つみたてNISAはその名の通り、毎月決まった額を「つみたて」て投資信託を購入していく制度のことです。つみたてNISAは20年間非課税で運用が可能です。通常、投資で利益が出ると20%が利益として差し引かれます。
例えば、10万円で買った投資信託が20万円に値上がりして売ったとします。20万円そのまま手元に戻れば嬉しいのですが、10万円の利益の20%、つまり2万円が引かれるため手元に戻ってくる資金は18万円になります。
つみたてNISAなら、運用にかかる利益が非課税のため、10万円の利益が引かれることなく20万円そのままで受け取ることが可能です。
20年間、もしくはそれ以上保有し続けることを前提に設定された制度ですが、途中で売却し出金することもできます。そのため、ライフプランに変化があった際でも、自分のタイミングで引き出し可能。
積立は年間40万円までとなっていますが、満額積立する必要はありません。自分のペースで積立していきましょう。もちろん、途中で積立額を増減させることも簡単。ボーナスの時期に増額させたり、逆に余裕のない月は少ない額に変更したりできるので便利です。
NISAとつみたてNISAの違い
つみたてNISAも一般NISAも、国が資産形成をしやすいようにと作った制度です。NISAは株式や投資信託を自分の好きなタイミングで、積極的に売り買いする人向けといえるでしょう。
一方で、つみたてNISAは、投資初心者がリスクを抑えて中長期的に資産運用するためのものといえます。つみたてNISAと一般のNISAの主な違いは以下の4点です。
NISA | つみたてNISA | |
年間購入限度額 | 120万円 | 40万円 |
非課税期間 | 5年 | 20年 |
対象商品 | 株式・投資信託 | 金融庁が定めた一定の条件をクリアした投資信託のみ |
売買のタイミング | 自分で売買のタイミングを決める必要あり | 売却のタイミングは自分で決める必要があるが、買付は自動 |
NISAは自分の好きなタイミングで、自分で選んだ個別の株や投資信託を売買する制度です。年間120万円まで投資が可能で、非課税にできる期間は5年間となっています。
一方、つみたてNISAは毎月決まった額を投資信託の購入にあてる制度です。年間40万円まで投資可能で、非課税になる期間は20年と長くなっています。つみたてNISAの一番の特徴は対象商品が限定されている点でしょう。
つみたてNISAで購入可能な投資信託は、金融庁が「長期的な積立・分散投資に適した投資信託である」と認めたものだけです。つまり、商品の信頼度や安定性が高いと認められた商品のみ買付が可能なので、投資初心者でも安心して選ぶことが可能です。
株式や投資信託を自分で選んで積極的に売買したい、売買のタイミングは自分で決めたい、短期的な利益を狙いたいという方は、一般NISAを選ぶとよいでしょう。
反対に、投資初心者で投資先を自分で決めることに不安がある方や、忙しくて売買のタイミングがはかれない方、中長期的な資産形成を検討している方にはつみたてNISAがおすすめです。
つみたてNISAと一般NISA口座は併用して持てないため、どちらか一方に決めて口座開設する必要があります。
iDeCo(イデコ)とつみたてNISAの違い
iDeCoは「退職金・老後資金」、つみたてNISAは「資産運用」とイメージすると簡単でしょう。
iDeCo | つみたてNISA | |
年間限度額 | 14万4000円~81万6000円 (職業や加入年金により異なる) |
40万円 |
税制上のメリット | ・積立の掛け金は全額所得控除 ・受取金額の一定額まで非課税 ・運用益が非課税 |
運用益が非課税 |
運用期間 | 加入から60歳まで(10年間延長可能) | 20年(20歳以降ならいつ始めてもよい) |
途中換金 | 原則不可だが、他の商品にスイッチングは可能 | いつでも可能 |
損益通算 | 不可 | 不可 |
運用商品 | iDeCo用の投資信託や保険商品、定期預金など | 長期投資に適しており、内容がわかりやすく、コストが低い、と金融庁が認めた投資信託 |
資金の引き出し | 60歳までは原則不可 | いつでも可能 |
iDeCoとつみたてNISAは「毎月決まった額を積立して金融商品を買付する」という点では同じです。iDeCoとつみたてNISAの一番の違いは「途中で引き出せるかどうか」にあります。
基本的に、iDeCoは「老後の資産形成・自分で作る退職金」というイメージです。そのため、加入者が60歳になるまでは途中で出金することは原則不可です。近い将来、使う目的がある資金をiDeCoで運用すると、引き出せない可能性があるので注意しましょう。
一方で、つみたてNISAはいつでも資金を引き出し可能です。「将来使うかもしれないが今は寝ている資金」をつみたてNISAで運用することができるので、ハードルが低いといえます。
また、つみたてNISAはどこの金融機関で購入しても手数料はかかりません。そのため、利回りの低い安定志向の資産運用が可能です。
一方で、iDeCoの場合は口座管理料が発生します。そのため、あまりにも利率の低い投資対象に投資をしていた場合、口座管理料の方が高くついた結果マイナスになってしまうこともあるので注意が必要です。
「老後資金に備えて資産を形成したい」「途中で資金を引き出す予定がない」という方はiDeCoがおすすめ。「少額から投資を始めてみたい」「長期運用で資産を形成したい」「途中で資金を引き出す可能性がある」といった方にはつみたてNISAがおすすめです。
iDeCoとつみたてNISAは併用が可能なため、将来の資産形成のために2つ始めることもおすすめします。
つみたてNISAのメリット/デメリット
つみたてNISAは、老後のお金の不安を解消する制度として人気がありますが、少子高齢化や低金利の時代を救済する制度でもあります。それでも「リスクが怖くて手が出せない」や「メリットはどのようなものがあるの?」と、不安に思う方も多いでしょう。以下に、つみたてNISAで得られるメリットや同時に発生するデメリットなどご紹介します。
つみたてNISAのメリット
つみたてNISAで得られるメリットには以下のようなものがあります。
つみたてNISAメリット
・最長20年間まで運用益と分配金に対して非課税になる
・少額の投資が可能
・買いのタイミングがつかみやすい
・平均買付単価を抑えられる
中でも一番のメリットは、運用益と分配金が非課税になる点でしょう。投資で利益を得た場合、通常なら約20%の税金がかかりますが、つみたてNISAなら最長20年間まで税金がかかりません。非課税になれば、税金分も運用にあてることができるため、メリットは大きくなります。
自動買付により買いのタイミングに悩まない
つみたてNISAの最大のメリットが、自動買付により買いのタイミングに悩む心配がないという点です。各証券会社で「毎日」「毎週」「毎月」と自信で日付を設定、もしくは引き落とし日(買付日)が設定されているので、自動で買付を行ってくれます。
「勝手に買われて大丈夫か」と心配になる方もいるかもしれません。しかし、投資信託は投資先にもよりますが値動きが株に比べてゆるやかなものが多いため、毎日毎日チャートを確認して底値で買うという商品性ではありません。
「長期的に保有することで資産を形成する」ことが目的のため、一定期間、一定額で長期間続けることが投資信託のポイントです。投資初心者の方なら、まずは投資を始めてみること。買付のタイミングに悩む必要がないつみたてNISAは、まさに最適の投資手段といえるでしょう。
税金がかからない
つみたてNISAは非課税になる期間が40年と長く、利益に対して税金がかかりません。前述した通り、投資で利益が出ると20%が課税され、手元に戻ってくる資金から引かれてしまいます。しかし、つみたてNISAは運用益に対する税金は非課税のため、運用益をそのまま得られます。
緊急時に対応可能
「老後資金・退職金代わり」としてのiDeCoに対して、つみたてNISAは投資初心者のために中長期的な資産形成を手助けすることを目的としています。そのため、資金が必要になった際には、投資信託を換金して出金することができます。人生は何が起きるかわかりません。緊急時に対応が可能なのも、つみたてNISAの大きなメリットといえるでしょう。
国が厳選した投資商品
つみたてNISAで購入可能な投資信託は、金融庁が「長期的な積立に向いている安定した投資信託である」と認めているものに限ります。
もちろん投資商品のため、いくら金融庁のお墨付きといっても元本が保証されるわけではありません。しかし、後述するつみたてNISAのメリットによりリスクを抑えることが可能。投資初心者が運用するには最適な運用手法といえます。
年齢の上限がない
iDeCoの場合、60歳までしか加入できません。そのため、50歳の方が運用を始めようとすると10年間しか運用できないことになります。
一方で、つみたてNISAは年齢の上限がありません。誰がいつ始めてもよく、先ほどの例で考えても50歳の方が20年後、30年後を見据えて資産運用のためにつみたてNISAを始めるという使い方も可能です。
少額の投資が可能
つみたてNISAは少額から投資が可能です。年間40万円の枠があるので、金融機関での毎月の限度額は3万3000円程度に設定されています。
投資初心者の場合、いきなり何万円も投資に回すことは勇気が必要です。そんなときも、つみたてNISAは100円から投資が可能。最初は100円、1000円といった単位での投資ができます。数ヵ月、数年経って投資に慣れてきたタイミングで金額を増やしてみるといった自分のペースで資産形成ができるのも、つみたてNISAのメリットといえるでしょう。
積立投資によりリスクが分散できる
投資初心者の方が投資を始める際、一番不安な点が「値下がりするリスク」ではないでしょうか。「減る可能性があるなら、増えないけど減らない銀行に預けておく」という考えの方も多いものです。
しかし、つみたてNISAは「時間的に分散」することで値下がりリスクを抑えることができます。値動きのある投資信託でも、「毎月」「一定額」「長期的に」買付することによって、買付価格が平均化されるのです。これは「ドルコスト平均法」と呼ばれ、投資のリスクを抑えるための初歩的な方法のひとつとなっています。これによって、値下がりしたときの元本割れリスクを抑えることが可能です。
つみたてNISAのデメリット
つみたてNISAのデメリットは2つあります。
購入できる商品が限られている
つみたてNISAで購入できる投資信託は、金融庁が認めたものだけです。「長期的な運用に向いているもの」「安定した運用が可能なもの」と厳しい審査をくぐり抜けている反面、選択肢が狭いとも考えられます。
個別の株やREITなどの不動産投資がしたい場合は、つみたてNISAは利用できないため注意しましょう。自分で銘柄を選んで自由に投資をしたい方は、つみたてNISAではなく一般のNISA口座を開設するとよいでしょう。
損失を出した際に税制上の優遇が受けられない
つみたてNISA口座は、利益を出した際に非課税という恩恵を受けらえる反面、損失が出た場合も税制上の優遇措置は受けられません。他の運用益と相殺したり、年をまたいで繰り越したり、といったことはできないので注意しましょう。
投資初心者の場合、こうした制度は知っていても実際には活用しにくいものです。最初のうちは、あまり難しい税制の仕組みは気にせず、資産運用を始めてみることをおすすめします。
つみたてNISAの注意点
つみたてNISAにはさまざまなメリットがある一方で、注意点も少なくありません。失敗を防ぐためにも、注意点については押さえておきましょう。
1人1口座
NISA口座は1人につき1口座しか持てません。「野村証券と楽天証券につみたてNISA口座を開設したい」と思っても、どちら一方の金融機関にしか口座は開設できないので注意しましょう。(通常の証券口座は、複数の金融機関に何個でも開設可能です。)
金融庁でも以下のように定められています。(以下引用文)
・NISA口座は、1人1口座に限り開設できます。ただし、NISA口座内で、つみたてNISAまたは一般NISAのどちらか一方を選択する必要があります。
・金融機関の変更は可能です。ただし、変更しようとする年の9月末までに、金融機関で変更の手続きを完了する必要があります。また、その年に既にNISA口座内で金融商品の購入をしていた場合には、変更できるのは翌年の投資分からです。
・金融機関の変更をした場合には、変更前の金融機関のNISA口座では、追加の金融商品の購入ができなくなりますのでご注意ください
・また、年単位でつみたてNISAと一般NISAを変更することも可能です。原則として、変更しようとする年の前年の10月から12月の間に、金融機関で変更の手続きを完了する必要があります
引用元:つみたてNISAの概要|金融庁
非課税枠の再利用はできない
つみたてNISA口座では非課税枠の再利用ができません。例えば、つみたてNISAは年間40万円まで購入できます。年の途中で30万円分の投資信託を購入して売却したとき、非課税枠は10万円です。売却した30万円分を非課税枠に再利用することはできません。
非課税枠の繰り越しはできない
つみたてNISA口座では、余った枠を翌年に繰り越せないので注意が必要です。例えば、つみたてNISAを始めた年に10万円しか買付をしなかった場合、残りの枠の30万円分は翌年に繰り越せません。40万円めいっぱい購入したいときは、ボーナス月の増額を利用して調整するようにしましょう。
つみたてNISAの商品の選び方
つみたてNISAは各金融機関にもよりますが、100種類以上の商品の中から買付する投資信託を選ぶ必要があります。ここでは、つみたてNISAの商品はどう選ぶべきかを解説します。基本的には、シンプルに2択で考えてみるとよいでしょう。
・投資も貯蓄の一種と考えており、ローリスク・ローリターンで運用したい
・貯蓄と投資は分けて考えており、投資では積極的にリスクを取ってハイリスク・ハイリターンを目指したい
どちらがよい、悪いということはありません。自分の価値観、考え方にあった方を選んでください。
リスクを抑えた安定運用には「複合資産型」
投資信託は、値動きの激しい「株式」と値動きが穏やかな「債券」で運用されています。株式と債券をどのくらい組み込むかは投資信託の設定によります。楽天証券で扱っている「楽天・インデックス・バランス・ファンド」の例を見てみましょう。
商品名 | 株式 | 債券 | 基準価格 |
楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型) | 70% | 30% | 1万3710円 |
楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型) | 50% | 50% | 1万2872円 |
楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型) | 70% | 30% | 1万2036円 |
投資信託は、全て運用が開始されるときは1万円の基準価格でスタートします。株式と債券の組み入れる比率が異なると、値動きが異なることがわかるかと思います。値動きの激しい株を組み入れている銘柄は、値下がりのリスクも大きくなりますが、値上がり時のリターンも大きくなる傾向にあります。
反対に、値動きの穏やかな債券の場合、値下がりのリスクが抑えられる反面、リターンも小さくなります。「投資するならローリスク・ローリターンがいい」という方は、複合資産型の投資信託をおすすめします。債券と株の組み入れ比率がどうなっているか、よく確認してから投資しましょう。
リスク高めでハイリターンを狙うには株式100%型
「投資と貯蓄は別!投資ではリスクを取って、積極的に資産を増やしたい」という方には、株式型の投資信託がおすすめです。株式型の中にも、アクティブ運用とインデックス運用のものがあります。
インデックス運用は「日経平均」や「NYダウ」などの指数と同じ値動きになるよう設定、運用されています。日経平均組み入れ銘柄に投資を行うだけなので、信託報酬が安いという特徴があります。
一方で、アクティブ運用は、日経平均やダウの指数を上回ることを目指して運用されています。投資信託の運用を行うプロが、全ての技術と知識を駆使して運用するため、信託報酬が高めになる傾向にあります。
どちらを選ぶのが正解、ということはありません。自分の相場観、価値観に合った商品を選びましょう。
運用コストをできるだけ節約する
つみたてNISAは売買にかかる手数料がかかりません。コストは、投資信託を保有している間にかかる「信託報酬」だけです。信託報酬は、投資信託を運用するための費用です。前述した通り、インデックス運用を行う投資信託は信託報酬が安い傾向にあります。
国内外に幅広く投資したい
世界中の株式や債券など、幅広く投資をしたい方には、外国の株式や債券を多く組み入れた投資信託がおすすめです。為替変動があるため、値動きの変動も多い反面、リターンも大きくなる傾向にあります。
分散投資することもできる
「ここまで読んだけれど、どれがよいのか決められない」という方も多いはずです。つみたてNISAは複数の銘柄を買付することもできるので覚えておくとよいでしょう。例えば、月に3万円、つみたてNISAの買付を行うと仮定します。
・日本株式・インデックス運用商品を5000円
・日本株式・アクティブ運用商品を5000円
・全世界株式インデックス運用商品を5000円
・米国株・アクティブ運用商品を5000円
・債券型の安定運用商品に1万円
このように割り振った分散投資も可能なため、迷ってしまって決められない方にはおすすめです。投資先を分散することで、変動する経済情勢に柔軟に対応でき、リスクが抑えられます。反対に、複数の銘柄を買付しても、投資先が同じだとあまり意味がないため投資先はしっかりと確認してください。
つみたてNISAのおすすめ銘柄11選
ここからは、つみたてNISAのおすすめの11銘柄を挙げて、概要を説明していきます。特徴は銘柄によってさまざまです。事前に特徴について把握しておくことで、自分に合った銘柄を見つけることができるでしょう。投資先に悩んでいる方は参考にしてください。
SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
運用 | インデックス型 |
信託報酬 | 年0.0938%(税込)程度 |
投資地域 | 米国 |
投資対象 | 株式 |
騰落率 | 3ヵ月:+4.07% 6ヵ月:+12.85% 1年:+36.43% |
純資産総額 | 404,046百万 |
純資産推移 | 設定来+402,408百万 |
販売会社 | ・SBI証券 ・auカブコム証券 ・SMBC日興証券 ・マネックス証券 他、多数の金融機関で取り扱い中 |
基準価格推移 | 設定来高値:1万7301円 設定来安値:7742円 |
SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、「バンガード・S&P500ETF」を通して、米国の代表的な株価指数であるS&P500指数(円換算ベース)に連動する投資成果を目指します。
「S&P500」とは、米国の代表的な株価指数のひとつ。ニューヨーク証券取引所、NASDAQ等に上場している企業から代表的な500銘柄を時価総額で加重平均し、指数化しています。そのため、S&P500に連動するファンドに投資すれば、米国の主要企業500社へ投資しているのと同じ効果が期待できます。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
運用 | インデックス型 |
信託報酬 | 0.1144% |
投資地域 | 先進国・新興国 |
投資対象 | 株式 |
騰落率 | 3ヵ月:+3.46% 6ヵ月:+8.38% 1年:+31.65% |
純資産総額 | 356,583百万 |
純資産推移 | 設定来+356,573百万 |
販売会社 | ・SBI証券 ・楽天証券 ・マネックス証券 ・松井証券 ・auカブコム証券 ・SMBC日興証券 他、多数の金融機関で取り扱い中 |
基準価格推移 | 設定来高値:1万6966円 設定来安値:8102円 |
「eMAXIS Slimシリーズ」 は、三菱UFJ国際投信が提供するインデックスファンドシリーズです。投資内容がシンプルでわかりやすく、低コストであることが特徴のインデックス・ファンドであり、「長期・分散・積立」の資産形成におすすめです。
「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に投資を行います。これは、先進国と新興国の大型株と中型株で構成される株価指数のこと。米国株の「Apple」や「Microsoft」の他に、香港の「テンセント」などアジア系の株も投資対象となっています。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
運用 | インデックス型 |
信託報酬 | 0.0968%以内 |
投資地域 | 米国 |
投資対象 | 株式 |
騰落率 | 3ヵ月:+4.06% 6ヵ月:+12.87% 1年 :+36.65% |
純資産総額 | 835,899百万 |
純資産推移 | 設定来+835,898百万 |
販売会社 | ・SBI証券 ・楽天証券 ・マネックス証券 ・松井証券 ・auカブコム証券 ・SMBC日興証券 他、多数の金融機関で取り扱い中 |
基準価格推移 | 設定来高値:1万8869円 設定来安値:8432円 |
前述した「eMAXIS Slimシリーズ」の「S&P500」に投資を行う投資信託。S&P500指数に連動するように設定されているインデックス・ファンドです。「SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」との違いですが、投資している対象が少し違っています。
SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは「バンガード・S&P500ETF」という上場投資信託に投資を行っています。
一方で「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の場合は、「S&P500インデックスマザーファンド」が米国株式に直接投資してS&P500に連動するように運用。投資対象が「S&P500」で、2つ買っても分散投資にはならないので覚えておくとよいでしょう。
SBI-SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
運用 | インデックス型 |
信託報酬 | 0.0938%程度 |
投資地域 | 米国 |
投資対象 | 株式 |
騰落率 | 1ヵ月:-2.63% 3ヵ月:+2.91% |
純資産総額 | 43,027百万 |
純資産推移 | 設定来+34,924百万 |
販売会社 | ・SBI証券 |
基準価格推移 | 設定来高値:1万1335円 設定来安値:9748円 |
2021年6月29日に設定された、新しい投資信託です。「SBI・V・全米株式」は、バンガードのトータル・ストック・マーケットETFに投資を行っています。米国で投資可能な株式はおよそ3755銘柄に及びますが、このほぼ全てに投資が可能。
日本経済の株価指標で例えてみると、日経平均に連動する動きを目指しているのが「全米株式インデックス・ファンド」、TOPIXに連動するように投資をしているのが「S&P500インデックス・ファンド」とイメージするとわかりやすいでしょう。
ニッセイ外国株式インデックス・ファンド
運用 | インデックス型 |
信託報酬 | 0.1023%以内 |
投資地域 | 日本を除く主要先進国 |
投資対象 | 株式 |
騰落率 | 3ヵ月:+1.70% 6ヵ月:+8.66% 1年:+32.12% |
純資産総額 | 349,641百万 |
純資産推移 | 設定来+349,613百万 |
販売会社 | ・SBI証券 ・楽天証券 ・松井証券 ・マネックス証券 ・auカブコム証券 ・SMBC日興証券 他、多数の金融機関で取り扱い中 |
基準価格推移 | 設定来高値:2万6362円 設定来安値:9576円 |
2013年12月に設定されており、運用歴が8年と長い運用実績を持つ投資信託です。日本を除く先進国の株式に投資を行う「MSCIコクサイ・インデックス」に連動するインデックス・ファンドであり、米国や、イギリス、カナダの株式に投資可能です。設定当初は1万円だった基準価格は2021年12月現在2万5000円となっており、運用の順調さがわかります。
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
運用 | インデックス型 |
信託報酬 | 0.154% |
投資地域 | 日本を含む世界各国 |
投資対象 | 株式、公社債、不動産投資信託 |
騰落率 | 3ヵ月:-1.33% 6ヵ月:+0.53% 1年:+14.82% |
純資産総額 | 123,912百万 |
純資産推移 | 定来+123,902百万 |
販売会社 | ・SBI証券 ・楽天証券 ・松井証券 ・マネックス証券 ・auカブコム証券 ・SMBC日興証券 他、多数の金融機関で取り扱い中 |
基準価格推移 | 設設定来高値:1万3737円 設定来安値:8858円 |
日本を含む世界各国の株式、公社債および不動産投資信託証券市場の値動きに連動するように、各投資対象の指数を均等比率で組み合わせた合成ベンチマークに連動するよう運用を行う商品です。
内訳は以下の8つです。
・TOPIXマザーファンド
・外国株式インデックスマザーファンド
・新興国株式インデックスマザーファンド
・日本債券インデックスマザーファンド
・外国債券インデックスマザーファンド
・新興国債券インデックスマザーファンド
・東証REIT指数マザーファンド
・MUAM G-REITマザーファンド
さまざまな投資対象に均等に資産を分散したい方にはおすすめといえるでしょう。
SBI-SBI・全世界株式インデックス・ファンド
運用 | インデックス型 |
信託報酬 | 0.1102%程度 |
投資地域 | 全世界 |
投資対象 | 株式 |
騰落率 | 3ヵ月:+0.45% 6ヵ月:+4.92% 1年:+27.33% |
純資産総額 | 42,571百万 |
純資産推移 | 設定来+42,570百万 |
販売会社 | ・SBI証券 ・楽天証券 ・松井証券 ・マネックス証券 ・auカブコム証券 ・SMBC日興証券 他、多数の金融機関で取り扱い中 |
基準価格推移 | 設定来高値:1万6175円 設定来安値:7639円 |
米国や日本、イギリスの株式に投資を行っており、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動する値動きをします。外国株式に興味があるが、日本の株にも投資を行いたい方にはおすすめです。
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
運用 | インデックス型 |
信託報酬 | 0.1102%程度 |
投資地域 | 全世界 |
投資対象 | 株式 |
騰落率 | 3ヵ月:+0.45% 6ヵ月:+4.92% 1年:+27.33% |
純資産総額 | 42,571百万 |
純資産推移 | 設定来+42,570百万 |
販売会社 | ・SBI証券 ・楽天証券 ・松井証券 ・マネックス証券 ・auカブコム証券 ・SMBC日興証券 他、多数の金融機関で取り扱い中 |
基準価格推移 | 設定来高値:1万6175円 設定来安値:7639円 |
MSCIコクサイ・インデックスに連動する値動きをするよう設定されており、日本以外の先進国の株式に投資が行えます。米国やイギリスの株式が対象ですが、組み入れ上位銘柄は「Apple」「Microsoft」「Amazon」と米国株が多くなっています。
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内債券インデックス
運用 | インデックス型 |
信託報酬 | 0.132% |
投資地域 | 日本 |
投資対象 | 債券 |
騰落率 | 3ヵ月:-0.14% 6ヵ月:+0.31% 1年:-0.02% |
純資産総額 | 15,733百万 |
純資産推移 | 設定来+15,732百万 |
販売会社 | ・SBI証券 ・楽天証券 ・松井証券 ・マネックス証券 ・auカブコム証券 ・SMBC日興証券 他、多数の金融機関で取り扱い中 |
基準価格推移 | 設定来高値:1万0516円 設定来安値:9972円 |
日本債券に投資を行うファンドです。国内債券に投資している「NOMURA-BPI総合」指数に連動するように設定されています。債券型のため、比較的値動きが安定しており、設定来安値が「9972円」、設定来高値が「1万516円」となっています。「リスクは取りたくない。ローリスク・ローリターンの投資先を探している」という方にはおすすめといえるでしょう。
ここまではインデックス型の商品を紹介しました。次からはアクティブ型の商品を紹介します。「せっかく投資を始めるのだから、リスクを背負っても大きなリターンを狙いたい」という方にはおすすめです。
フィデリティ・米国優良株・ファンド
運用 | アクティブ型 |
信託報酬 | 1.639% |
投資地域 | 米国 |
投資対象 | 株式 |
騰落率 | 3ヵ月:+3.08% 6ヵ月:+12.02% 1年:+34.92% |
純資産総額 | 15,733百万 |
純資産推移 | 設定来+15,732百万 |
販売会社 | ・SBI証券 ・楽天証券 ・松井証券 ・マネックス証券 ・auカブコム証券 ・SMBC日興証券 他、多数の金融機関で取り扱い中 |
基準価格推移 | 設定来高値:3万8410円 設定来安値:4903円 |
設定開始が1998年と、長い間にわたって運用が継続している、実績のある投資信託です。フィデリティ・米国優良株・ファンドは、運用のプロであるファンドマネージャーが企業調査をしてポートフォリオを形成、その後ポートフォリオ全体でリスクヘッジを行い、分散投資を基本とした株式組み入れ。国際的な優良企業や将来的に有望な企業に投資を行います。
為替ヘッジを行っていないので、円高(例:1ドル100円が90円にになる)になると値下がりの要因となり、円安(例:1ドル100円が110円になる)になると値上がりの要因となります。
「米国株は将来的にも有望な企業が多いはず。インデックス型ではなく、アクティブ型での運用商品を購入したい」という方には最適なファンドといえるでしょう。
ひふみプラス
運用 | アクティブ型 |
信託報酬 | 1.078% |
投資地域 | 日本および外国 |
投資対象 | 株式、公社債 |
騰落率 | 3ヵ月:+4.81% 6ヵ月:+4.13% 1年:+17.31% |
純資産総額 | 470,832百万 |
純資産推移 | 設定来+470,727百万 |
販売会社 | ・SBI証券 ・楽天証券 ・松井証券 ・マネックス証券 ・auカブコム証券 ・SMBC日興証券 他、多数の金融機関で取り扱い中 |
基準価格推移 | 設定来高値:5万5758円 設定来安値:9758円 |
2012年5月から運用されている投資信託です。設定来の安値は9758円ですが、現在は5万円の基準価格をつけており、実に5倍にもなっています。
「日本および海外の株式、債券」が投資先。組み入れ銘柄を見ると、1位は「Microsoft」ではありますが、2位は「インターネットイニシアティブ」、3位が「ミライト・ホールディングス」と日本の株式が続いています。補足すると、上位10銘柄のうち米国株はMicrosoftだけで、残りの9銘柄は日本の株式です。
「海外の株にも興味があるけど、やはり日本株の比率が多い方がよい」という方は、買付の参考にしてください。
つみたてNISAの始め方
つみたてNISAを始めるには、金融機関に口座を開設する必要があります。口座を開設する、と聞くと面倒そうに感じますが、現在は全てオンラインで手続きができるため意外と簡単です。
つみたてNISA口座を開設する証券会社を決める
まずは最低買付単位や買付頻度など、サービス内容を比較して証券会社を決めます。どこの証券会社なら間違いない、ということはありません。
「対面で相談できる会社がよい」「セミナーやレポートの質が高い会社がよい」「外国株を取り扱っている会社がよい」などと人によって重視するポイントは違うため、自分に合った証券会社を選びましょう。
口座開設の申し込みをする
ほぼ全ての証券会社で、オンラインで口座開設が完了します。証券会社の「口座を開設する」や「つみたてNISAを始める」というボタンをクリックすると、口座開設の手続き画面に移行します。
続いて、本人情報を入力し、本人確認書類を提出します。書類はスマートフォンで撮影してアップロードする、もしくは郵送で提出が可能です。必要書類を提出し、証券会社で本人確認が完了すると、受付完了のお知らせが届きます。
その後は、口座番号やID、仮のパスワードといったものが記載された通知が自宅に届くので忘れずに受け取りましょう。「オンラインではなく、窓口の人に直接聞きたい」といった不安がある方は対面窓口のある証券会社を選ぶとよいでしょう。
証券会社に入金手続きを行う
証券会社によって入金方法は異なります。基本的には、自分の銀行口座から指定された証券会社の口座へ入金するだけです。つみたてNISAは、証券会社への入金以外にも、指定の金融機関からの引き落としや、クレジットカードなどによる決済が選べます。
そのため、人によっては証券会社への入金手続きが不要なケースもあります。
積立投資する商品を選ぶ
つみたてNISAで買付したい商品を選びましょう。各証券会社によって取り扱っている銘柄は異なりますが、そもそも金融庁の定めた銘柄しか扱っていません。メジャーな銘柄はどの証券会社でも扱っているので安心してください。
前述した通り、銘柄はひとつに絞らなくて大丈夫です。投資先を複数にすることで、リスクが分散できるため、何種類かに分けて投資することをおすすめします。
毎月の積立金額を決める
運用商品を決めたら、毎月の積立額を決めます。積立額は途中で変更できるので、最初は無理せず少額から始めてみましょう。
毎月1000円でも年間で1万2000円に、毎月1万円なら12万円に、毎月3万円なら36万円積立することができます。
目論見書と設定内容を確認して完了
最後に目論見書と設定内容を確認すれば完了です。目論見書とは投資商品の説明書のようなもの。投資信託の目的や仕組み、主なリスク、価格の変動要因が記載されています。
目論見書は分厚く字も小さいので、投資初心者が完璧に読み込むのは困難です。そんなときにおすすめしたいのが、各投資信託が出している「運用報告書」です。運用報告書は、目論見書の内容が簡潔にまとめられた月次レポートとイメージするとわかりやすいでしょう。
つみたてNISA口座の申し込みに必要な書類
つみたてNISAの口座開設に必要な書類は2つあります。
・マイナンバーが確認できるもの
・本人確認が可能なもの
そのため、提出するものも2パターンに分けられます。
・マイナンバーカードのみ
マイナンバーカードは、本人の顔が確認できる写真に加えてマイナンバーも記載されているので、これ1枚で済みます。
・マイナンバーが確認できる書類と本人確認書類
マイナンバーが確認できる書類と、免許証やパスポートなどの本人確認ができるもの2つ必要です。
書類の提出は郵送でも、オンラインでアップロードでもできます。
つみたてNISAを始めるのにおすすめの本
つみたてNISAを始めるにあたって、本を読んで勉強したいという方もいらっしゃるでしょう。そこで投資に関するおすすめの本を紹介します。
お金は寝かせて増やしなさい
「つみたてNISAで運用って具体的にはどうしたらよい?」と悩んでいる方におすすめなのがこちらの書籍です。本記事の投資信託の選び方で、インデックス運用とアクティブ運用について説明しましたが、この本では特にインデックス運用について解説されています。
著者である水瀬ケンイチ氏は、会社員であり個人投資家でもある方です。著者自身がインデックス投資を実践してきたため、自分自身の経験に基づいた投資方法が紹介されています。
この本では、インデックス投資の入り口から出口戦略までが一挙に解説されています。投資初心者の方で、投資家から運用方法について詳しく教わりたいという方におすすめです。
難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えて下さい。
この書籍ではなるべく安全な初心者向けの方法で、誰にでもできる「お金を増やす方法」を紹介しています。「トクする制度を使って実際に運用してみる編」ではNISA制度が解説されています。
「お金のプロ」と呼ばれる山崎元氏は、東京大学卒業後、外資系証券や保険などの金融12社に勤めた経歴を持つ経済のエキスパート。そんな山崎元氏に、「お金のド素人」である著者がお金に関するさまざまな疑問をぶつける内容です。
金融の知識が全くない方を対象に執筆されているため、つみたてNISAを始める前に、お金を安全に持っておく方法やお金の使い方など、基本的な知識から押さえておきたいという場合におすすめです。
つみたてNISAのよくある質問
Q.投資信託はどうやって選べばよい?
A. 投資商品は「複合資産型」と「株式100%型」に大別され、それぞれメリットやデメリットがあります。リスクを抑えた安定運用には「複合資産型」を、リスク高めでハイリターンを狙うには「株式100%型」がおすすめです。
Q.つみたてNISAはどうやって始められるか?
A. つみたてNISAを始めるなら、まず口座を開設する金融機関を決めましょう。NISAの口座はすべての金融機関を対象に1人1口座しか開設できません。中には1年単位で口座を変更する方もいますが、時間と手間がかかるので注意が必要です。もし金融機関を選ぶなら、取扱商品が何かを確認する必要があります。初心者は欲しい商品の取り扱いがあるかどうかで決めるのもポイントです。
Q.証券口座開設には申し込みからどれくらい日数がかかるのか?
A.つみたてNISAの口座開設にかかる期間は各金融機関によって異なります。NISA口座を開設するには、税務署を通じてNISA口座が二重に開設されていないか確認する必要があります。そのため少し時間がかかることを覚えておくとよいでしょう。
楽天証券 | 翌営業日以降 |
SBI証券 | 最短2営業日 |
マネックス証券 | 1~2週間 |
松井証券 | 3日~1週間 |
auカブコム証券 | 1~2週間 |
野村証券 | 2~3週間 |
SMBC日興証券 | 3日~1週間 |
SBIネオトレード証券 | 約2週間 |
Q.つみたてNISAと一般NISAはどちらがおすすめですか?
A.つみたてNISAと一般NISAでは購入できる商品が違います。一般NISAは株式やREIT(不動産投資)などさまざまな銘柄に投資が可能です。
一方で、つみたてNISAは金融庁が「長期的な資産形成に適している」と認めた銘柄のみが買付可能です。つみたてNISAと一般NISAは、どちらか一方しか口座開設できません。
「株式やREITなど、自分で銘柄を選んで投資したい」「好きなタイミングで売買したい」という方、投資に関する経験や知識がある方には一般NISAがおすすめです。
「投資を始めたいけど何を始めたらよい?」「どれを、いつ買ったらよいのかわからない」という投資初心者の方にはつみたてNISAがよいでしょう。
Q.つみたてNISAとiDeCoはどちらがおすすめですか?
A.つみたてNISAとiDeCoは、どちらも金融機関が取り扱う銘柄を「毎月」「一定額」「積立する」という点が共通している制度です。
両者の違いについては、つみたてNISAは「長期的な資産形成を目的としたもの」であり、iDeCoは「老後のための資産運用・退職金」だとイメージするとわかりやすいでしょう。
つみたてNISA | iDeCo | |
年間投資上限額 | 40万円 | 14万4000円~81万6000円(職業などにより異なる) |
運用商品 | 投資信託・ETF | 預貯金・投資信託・保険商品 |
税制優遇 | 運用益が非課税 | ・運用益が非課税 ・掛け金が所得控除の対象 ・受け取り時に年金控除が利用できる |
運用期間 | 20年 | 60歳まで(70歳まで運用延長が可能) |
投資商品の売却 | いつでも可能 | いつでも可能 |
資金の引き出し | いつでも可能 | 60歳まで原則不可 |
簡単にいうと、iDeCoとつみたてNISA、どちらも始めることをおすすめします。iDeCoでは毎年の所得税・住民税が控除されるので、税制優遇を受けながら老後の資金や退職金を自分で準備するというイメージになります。途中で資金の引き出しができないので、使う予定のない資金で運用するようにしましょう。
iDeCoの場合、金融機関に口座を開設すると口座管理料がかかります。そのため、利率の低い商品で運用すると、利率より管理料が多くかかって資産がマイナスになることが考えられるので注意が必要です。また、60歳までと年齢制限があるため、加入する年齢によっては活用できない場合があります。
一方、つみたてNISAは、口座管理料が無料です。いつでも出金できるので、将来使う予定のある資金で始めることも可能です。年齢制限がないため、50歳の方が20年後、30年後の資産形成のためにつみたてNISAを始めることもできます。
Q.つみたてNISAの口座は複数作ることはできますか?
A.つみたてNISAの口座は1人1口座しか開設できません。「楽天証券とSBI証券につみたてNISAの口座を開設したい」といったことはできないので注意しましょう。
ただし通常の証券口座は複数開設することが可能です。「つみたてNISAは野村証券で開設して、サブで運用するために楽天証券で通常の証券口座を開設した」ということもできるため、口座開設の参考にしてください。
Q.積立から20年後はどうなる?
A.つみたてNISAは運用開始から20年経過すると、以降の運用は通常の投資信託の売買と同じく20%が利益に課税されるようになります。売却して現金化し、その後またNISAを始めることも可能です。
Q.どれくらいの期間運用すればよい?
つみたてNISAをどのくらいの期間運用すればよいのかは、人によって違います。メリットを最大に活用するには20年間しっかりと運用することをおすすめします。
Q.つみたてNISAで損をすることはありますか?
A.投資信託は利益が約束されたものではなく、値上がりして利益がでることもあれば、値下がりして損をすることもあります。
とはいえ、つみたてNISAを利用することで「時間的」「価格的」に分散して投資が行えるので、こうした価格変動のリスクが軽減されます。これを「ドルコスト平均法」と呼びます。
そのため、運用を初めて数ヵ月ほどで「値下がりしたからやっぱりやめよう」と投資をやめてしまったり、コロナショックといったことで相場が大きく変動したときに「よくわからないけど、怖いから売ろう」と運用をストップしたりすると、積立投資のメリットを活用できないので注意しましょう。
「長期的に」「コツコツと」「積立する」こと継続する、これがつみたてNISAで損しないためのコツといえます。
Q.つみたてNISA口座でおすすめのネット証券はどこですか?
A.つみたてNISAでおすすめの証券会社は、人によって異なります。ここからは、投資初心者の方におすすめできる大手の証券会社を紹介していきます。
楽天証券
楽天証券の概要をもう一度おさらいしていきましょう。
メリット | ・楽天カードでつみたてNISAの決済をすると楽天ポイントが貯まる ・楽天銀行と提携すると普通預金金利がアップ |
デメリット | ・楽天ポイントを貯めていない人、楽天銀行を利用していない人には恩恵が少ない ・IPOやミニ株など扱っていない取引がある ・つみたてNISA口座開設後、資産運用相談といったサポートがない |
楽天証券はネット証券大手です。楽天ポイントが貯まるので、楽天銀行を利用している方、楽天市場で買い物をする方にはおすすめです。
一方で、楽天経済圏の利用がない方には恩恵が少ないといえます。またIPOの取り扱いが少なく、ミニ株を扱っていないため、こうした投資に興味がある方には向いていない可能性があります。
SBI証券
SBI証券の概要をおさらいしていきます。
メリット | ・積立頻度が「毎日」「毎週」「毎月」で選べる ・つみたてNISAの買付にクレジットカードが利用できる ・株式手数料が実質無料 |
デメリット | ・ポイントを貯めるのが難しい ・つみたてNISA購入後の資産運用サポートがない |
SBI証券は楽天証券と並んで国内最大のネット証券会社です。積立頻度で「毎週」が選べるため、毎週買付を行いたい方にはおすすめです。
SBI証券は株式投資でTポイントが貯まりますが、つみたてNISAには対応していないため、つみたてNISA以外は投資をしない、という方にはポイントの恩恵が受けられません。
しかし、SBI証券は株式現物取引の手数料が0円~展開しており、業界でも屈指の手数料の安さを誇ります。つみたてNISA以外に、株式投資を始めたい方、米国株に興味がある方はSBI証券で口座開設するとよいでしょう。
野村証券
野村証券は対面型証券業を営む証券会社の最大手であり、2021年3月期の売上高は1兆円を超えています。
メリット | ・野村証券が厳選した7銘柄に投資ができる ・サポート窓口のスタッフが有資格者のため投資相談が可能であり、電話がつながりやすい ・有名なアナリストの動画やレポートを見ることが可能 |
デメリット | ・積立頻度は毎月のみ ・クレジットカードによる引き落としは対応なし ・ポイント制度がない |
野村証券は国内最大の窓口型の証券会社です。しかし、オンラインでの口座開設も可能です。野村証券で取り扱っているつみたてNISAの銘柄は、厳選された7銘柄のため、投資先に悩んでいる方や大規模で財務の健全な証券会社に口座開設をしたい方には最適といえます。
また、サポートセンターのオペレーターは全員が資格を取得しており、確かな知識によるアドバイスが受けられます。つみたてNISAを購入後、誰かに資産運用の相談をしたいという方は口座開設の参考にしてください。
まとめ
つみたてNISAのメリットやデメリット、おすすめの銘柄、おすすめの証券口座などご紹介してみました。つみたてNISAは非課税になるのがうれしい制度ですが、限度額がある点や対象銘柄が限られている点には注意が必要です。また口座開設の流れもご紹介していますので、総合口座の有無なども確認してください。ぜひおすすめの銘柄や証券会社などを参考にして、自分にあったNISAを選んでみましょう。
からの記事と詳細 ( つみたてNISA(積立NISA)とは?メリット・デメリットやおすすめ銘柄10選 | Money Method - 神戸新聞 )
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