物流において必要不可欠な工程である「検品」。ECサイト運営にあたり、「検品とはどのような業務を指すのか」「外部委託を検討したい」などと考える担当者もいるのではないだろうか。今回は、検品の業務内容や企業が抱えることの多い課題、外部委託する場合のメリットについて紹介する。自社の検品体制を見直す際の参考としてほしい。
目次
●検品とは?
●検品の重要性
●検品における課題
●検品の外部委託で利用できるサービス
●検品を外部委託するメリット
●まとめ
検品とは?
検品とは、商品の規格や性能、品質や数量が発注内容と一致しているかを確認する作業のことだ。検品には、商品の入庫時に行う「入庫検品」と、顧客へ出荷する際に行う「出荷検品」の2つのパターンがある。
1つ目の「入庫検品」は、仕入先から商品が納品された際に行う検品作業のこと。納品書と実際に届いた商品を照らし合わせ、内容や数量に不備がないかを確認する。加えて、商品に破損や汚損がないかを確認する「品質検品」を行う場合もある。
2つ目の「出荷検品」は、倉庫に保管している商品を顧客に発送する際に行う検品作業のこと。顧客に誤った商品や不良品を発送してしまわないよう、ここでも「注文書と同じ内容か」「汚れや傷がないか」といった確認作業を行う。
検品の重要性
物流工程の中で「なぜ検品を行う必要があるのか」と考える担当者もいるかもしれない。検品が重要である理由として、次の2点が挙げられる。
●欠品の防止
●誤出荷の防止
入庫時に検品を実施することで、顧客からの注文に対し現物の数量が不足する「欠品」を防ぐことができる。例えば、納品書に記載された「数量」をそのまま在庫として計上し、後日、現物の不足が判明するケースがある。これは、現物の入庫数が、納品書に記載された数よりも少なかったために起こる、現物の検品作業なくしては気づくことができない納品ミスだ。
また、出荷検品も顧客への「誤出荷」を防ぐために欠かせない作業である。誤出荷はクレームの原因となってしまうほか、商品・企業の信頼を損ねることにも繋がりかねない。正確な検品作業が、EC運営を継続していく上で重要であることを認識しておこう。
検品における課題
先述したように、検品は正確な入出庫管理を行うために必要不可欠な工程だ。しかし、企業によっては「検品」に課題を抱えるケースもある。ここからは、検品における課題について見ていこう。
人件費や設備費などにかかるコスト
検品における課題として、人件費や設備費などの「コスト」が挙げられる。検品は時間や手間を要する作業も多く、想定以上に費用がかかることもあるようだ。
例えば、検品に一定の正確性を持たせるため「二重チェックを実施する」「専用の機械を導入する」といった対策を実施する場合、ある程度のコスト増加は避けられないだろう。このような費用が、企業の大きな負担となってしまうケースがある。
人的ミスの発生率
検品の実施にあたり、人的ミスの発生率が企業の課題となることもある。検品作業は人が目視で行うケースが多く、「人的ミス」は避けることのできないリスクであり、完全になくすことは難しいだろう。
検品作業に不慣れな人員が多いと、その分、人的ミスが発生する可能性も高まってしまう。そのあとのリカバリーに膨大な労力が必要となる場合もあり、検品の課題として抱えている企業も多いようだ。
検品の外部委託で利用できるサービス
自社での検品作業に課題を抱えている場合、専門業者に検品作業を依頼する「外部委託」を選択することも可能だ。検品を外部委託した場合に利用できる主なサービスは次の通り。
●破損や汚損の確認
商品に汚損や破損がないか、目視や触手により確認する
●異物混入有無の確認
納品物の中に、異なる商品やゴミなどが入っていないかを確認する
●機能性の確認
「ファスナーがスムーズに動くか」など、商品がきちんと機能するか確認する
●サイズ等の確認
納品された商品が希望通りの大きさになっているか、採寸などをして確認する
外部委託先によって、提供しているサービスは異なる。そのため、依頼先を選ぶ際には、自社に必要なサービスに対応しているかどうかをチェックすることが重要だ。
検品を外部委託するメリット
ここからは、検品を外部委託するメリットについて詳しく見ていこう。
精度の高い検品が期待できる
検品を外部委託することで、より精度の高い、正確な検品作業が期待できる。外部委託先はその道のプロであり、これまでに蓄積してきた「ノウハウ」や豊富な「経験」を活かした作業が可能だからだ。
自社で検品を実施する場合には、人員の採用や育成が必要な場合もあり、ある程度のコストや時間が必要となる。外部委託であれば、契約後すぐに、安心できる品質の検品が実施できることも大きなメリットではないだろうか。
人件費を削減できる
検品にかかる人件費などの「固定費」を削減できることも、外部委託を利用するメリットだ。外部委託であれば、繁閑期に合わせて適切な数の人員が確保されるため、無駄な費用をかけずに検品を実施できる。
自社で検品を行う場合、セールやイベント開催時期などの「繁忙期」に確保した人員が、閑散期には余ってしまうというケースもあるだろう。この場合、企業は余った人員の対応だけでなく、本来不要であった人件費の支払いが必要となってしまう。外部委託を利用することで、このような課題の解決が可能だ。
設備投資が必要ない
外部委託を利用することで「設備にかかる費用」を手放すこともできるだろう。検品を自社で行うためには、商品を保管する「スペース」や、在庫管理を行うための「システム・機械」などを用意する必要がある。さらに、システムや機械を適切に利用するためには、維持管理費なども考えなければならない。
外部委託する場合も、一定の委託費用はかかる。しかし、設備の導入や維持管理費用と比較すれば、安く費用を抑えられることも多いだろう。
コア業務に集中できる
時間や手間のかかる検品作業を外部委託すれば、余ったリソースをコア業務に充てることができる。元々検品に多くのリソースを割いていた企業にとっては、大きな恩恵となるだろう。新たなリソースは「ストア運営」や「新商品開発」などに配分すれば、企業の拡大にもつなげられるはずだ。
まとめ
商品の規格や性能、品質や数量が発注内容と一致しているかを確認する「検品」。検品は、商品や企業の信頼につながる重要な物流工程の1つだ。自社においてコストや人的ミスが発生しやすい状況に課題を抱えている場合は、外部委託を利用することも1つの手段だろう。社内においては、検品の業務内容や必要性を把握・共有し、最適な検品体制について話し合ってみてはいかがだろうか。
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