「書類の保管に手間がかかる」
「資料が見られないから、テレワークに移行できない」
このような悩みをお持ちではないでしょうか?
コロナ禍の影響から、テレワークを導入する企業が増えています。一方で、なかなか移行できない企業もあります。その理由の1つが書類の問題です。契約書や見積書など紙の書類が必要になり、結局出社しなければいけないからです。また、書類の数が多くなって、その管理自体にも手間がかかっている方もいるでしょう。
もし書類の管理に頭を悩ませているなら、文書電子化サービスを検討してみてください。本記事は、文書電子化サービス7選を紹介します。5つのメリット、導入における注意点も解説するので、文書電子化サービスについて詳しく理解できるでしょう。
文書電子化サービスとは
文書電子化サービスとは、紙の文書をスキャンして、電子化するサービスです。文書スキャニングサービスと呼ばれることもあります。紙の書類をデータに変換するため、社内ネットワークやクラウドサービスで資料の確認や共有が簡単になります。
紙の文書は、テレワーク導入の阻害要因となっているのをご存知でしょうか。契約書や見積書、そのほか仕事上で必要な書類が紙のままであれば、確認のために出社が必要となります。実際、総務省の「平成 30 年通信利用動向調査の結果(※1)」にも、テレワークを導入しない理由の1つに、文書の電子化が進んでいないことが挙げられています。
文書電子化サービスで紙の書類をデータ化できれば、自宅やコワーキングスペースなどでも、スムーズに資料を確認できます。
※1 総務省「平成 30 年通信利用動向調査の結果」
文書電子化サービスの5つのメリット
紙の書類をデータに変換する文書電子化サービスですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。5つに分けて説明します。
- 書類の検索および保管がしやすくなる
- 保管に掛かるコストを削減できる
- どこからでも資料にアクセスできる
- セキュリティ対策になる
- 環境保護への取り組みをおこなえる
1つずつ見ていきましょう。
1 書類の検索および保管がしやすくなる
書類がデータ化されると、多くの場合は社内フォルダや共有ネットワークに保存されます。社内フォルダに保存されたデータは、キーワードなどから簡単に検索できます。
紙で保管している場合、大量の資料のなかから目的の書類を探すのは時間がかかります。しかしデータで保存していれば、PCから簡単かつ素早く書類を見つけられるでしょう。
また、電子データであれば経年劣化もしません。紙媒体のように、長い時間が経って破れやすくなったり、インクが退色したりして、読みづらくなる心配も不要です。文書の電子化は、長期保存にも適しています。
2 保管にかかるコストを削減できる
紙の資料を保管する場合、保管場所が必要となります。通常、紙の書類は各社員のキャビネットや専用の保管庫など、会社ごとにさまざまな場所に保管していることでしょう。
書類を電子化すれば、保管スペースを削減できます。紙で置いておく必要がないため、保管場所を別の用途に活用できるでしょう。会社によっては、保管庫がなくなる分、オフィスの縮小も可能になるかもしれません。
細かいところでは、紙やインクなど、印刷代も削減可能に。一度書類を電子化すれば、後はデータ上で確認できるので、紙を印刷する必要がありません。このように、文書電子化サービスは、紙の書類保管にかかる経費と手間を削減できます。
3 どこからでも資料にアクセスできる
文書を電子データにすると、インターネットにアクセスできる環境であれば、どこからでも資料を確認できます。
文書電子化サービスは、紙の書類をPDFファイルや、jpegなどの画像ファイルといったデータに変換。データ化された書類は、会社によって社内の共有フォルダやGoogleドライブのようなクラウドサービスなど保管場所を選べます。
社員がアクセスできる場所に保存すれば、いつでもどこでも簡単に資料を確認できます。
4 セキュリティ対策になる
書類を電子化することで、紛失や情報漏えいのリスクを下げられるため、セキュリティ対策にもなります。
書類には、会社の機密情報や利用者の個人情報が記載されているものがあります。なにかの手違いで書類を紛失してしまうと、情報漏えいにつながる危険があります。その点、書類を電子化してしまえば、紙で保存しておく必要がありません。
書類の紛失による漏えいリスクを下げられるため、セキュリティ対策につながるでしょう。
5 環境保護への取り組みをおこなえる
ペーパーレス化は、紙資源の消費を抑えられるため、環境保護活動の一環としてのメリットもあり、環境保護への取り組みとしてアピールできます。実際に大手企業でも、文書の電子化や社内の紙使用量の削減など、環境保護に取り組んでいることをアピールしているケースがあります。
文書電子化から環境保護活動に取り組み、引いては企業価値の向上も図ってみてはいかがでしょうか。
以上、文書電子化サービスのメリットを5つ説明しました。メリットを踏まえて、次はおすすめの文書電子化サービスをご紹介します。
文書電子化サービスの比較7選
ここからは、実際に提供されているおすすめの文書電子化サービス7選をご紹介。それぞれどのような特徴を持つのか、1つずつ見ていきましょう。
書類のデータ化で業務の効率化「DX Suite」
AI inside 株式会社
POINT
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 提供形態:クラウド
- 参考価格:(DX Suite Lite)月額費用30,000円〜、(DX Suite Standard)月額費用100,000円〜 初期費用200,000円〜、(DX Suite Pro)
- 月額費用200,000円〜 初期費用200,000円〜
「DX Suite」は、手書きや活字、FAX・写真で撮った書類までデジタル化が可能です。AI-OCRというAIを活用した文字の読み取り技術によって、 書類を高精度でデータ化 します。アップロードした書類は、AI-OCRが種類ごとに自動仕分け。データ整理に時間を取られることもありません。
また、「DX Suite」は導入を検討している方に向けて、オンラインセミナーを実施 しています。本サービスの活用法や他システムとの連携など、お役立ち情報が聞けます。有償にはなりますが、1ヶ月間のトライアルもあるので、サービス導入まで段階を踏んで検討できるようになっています。
読取精度96%超を誇るシステム「AIよみと~る」
東日本電信電話株式会社
POINT
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 提供形態:SaaS / サービス
- 参考価格:基本メニュー33,000円(月額)※読み取り項目が6,000項目/月まで
「AIよみと~る」は、読取精度96%を超える 文書電子化サービスです。クセ字、訂正印、手書き訂正であっても、正確に読み取れる精度の高さが持ち味です。
「AIよみと~る」の操作画面はブラウザをベースにしており、直感的にわかる作り なのが特徴。ITの専門家がいなくとも、使いこなせるわかりやすい画面仕様になっています。RPAツールと連携すれば、読み取り後の入力作業といった稼働時間も削減できるでしょう。
金融システムでも使われるOCRエンジンを搭載「OCRデザイナー」
株式会社ユニオンシンク
POINT
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 提供形態:オンプレミス / パッケージソフト
- 参考価格:別途お問い合わせ
「OCRデザイナー」は、金融システムでも使われるOCRエンジン によって、安定した識字率を実現しています。手書き文字のみならず、チェックマークやバーコードなどの記号にも対応しています。
また、読み取りは複数の書類を連続で取り込める ため、作業時間を大幅に削減可能です。すでに電子化作業を導入しているものの、書類の電子化に時間がかかっている場合は、作業効率を改善できるでしょう。
複合機を活用した文書電子化サービス「Quickスキャン V5」
サイオステクノロジー株式会社
POINT
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 提供形態:サービス
- 参考価格:別途お問い合わせ
「Quickスキャン V5」は複合機のスキャン機能を利用して、簡単に文書を電子化できます。スキャンしたファイルの名前変更、保存先フォルダの仕分けといった細かい作業も、 全て複合機で完結します。
さらに、各種クラウドサービスとも連携。DropboxやGoogleドライブと連携すれば、 クラウドサービス先のフォルダに直接格納することができます。
連携で言えば、ICカードとの連携機能も備えています。ICカードを用いて自分専用ボタンを作成できるため、機密性の高い書類を誤って、別の方のフォルダに保存してしまう事態も防げます。
人による最終チェックで品質を担保「COMITX AIデータエントリー」
株式会社InfoDeliver
POINT
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 提供形態:SaaS
- 参考価格:1文字0.2 円〜
「COMITX AIデータエントリー」は、複数のAI-OCRを用いた文書電子化サービスです。AI-OCRによる書類のデータ化はもちろんですが、このサービスの特色は人によるチェックがあることです。
データ化した情報をオペレーターが最終チェック することで、安定した品質を担保します。本当に正しく文字を読み取れているか、いちいち自分たちで確認する必要がありません。 最終チェック作業も含めて、任せられるサービスです。
目的に応じたAI OCRエンジンが選択可能「SPA」
ウイングアーク1st株式会社
POINT
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 提供形態:クラウド / パッケージソフト
- 参考価格:50,000円 ~(月額)
「SPA」は、4つのAI OCRエンジンを用意 したサービスです。各エンジンで強みが違うため、自社に最適なものを選択できます。たとえば、「WingArc Data Capture」なら、幅広い日本の文字コードに対応。丸囲いや手書き文字を高精度で読み取ります。
また、1つの文書内で、OCRエンジンの切り分けも可能 です。印字の部分と手書きの部分で使用するエンジンを分けるといった具合に。複数のエンジンを組み合わせることで、「SPA」は高精度な読み取りを実現しています。
ファクス文書を自動でデータ化「Easyファクス」
サイオステクノロジー株式会社
POINT
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 提供形態:パッケージソフト
- 参考価格:50,000円 ~(標準価格) 初期費用300,000円
「Easyファクス」は、受信したファクス文書を自動でPDF化します。ファクス文書が印刷されないため、 印刷代および資料の保管の手間を削減できるでしょう。
受信データは、あらかじめ設定したフォルダに自動保存 できます。自分でデータの保存先を振り分ける手間が発生しません。Googleドライブなどクラウドサービスと連携すれば、社内共有も簡単です。
文書電子化サービスのおすすめ7選は、以上のとおりです。自社の課題や欲しい機能と照らし合わせて、導入したいサービスを考えてみてください。
文書電子化サービスの3つの選び方
導入を検討するに際し、自分たちに合うサービスがわからないとお悩みの方もいるでしょう。そんな方に向けて、文書電子化サービスの3つの選び方を解説します。
- セキュリティ対策
- 費用対効果
- 文書情報管理士の有無
どのような基準か、それぞれ見ていきましょう。
1 セキュリティ対策
サービス提供会社の「セキュリティ対策」について、必ず確認してください。書類とひと口に言ってもいろいろありますが、なかには会社の機密情報に関わるものもあるでしょう。
文書を電子化する過程で、情報が漏えいした場合大きな問題になります。リスクを避けるためにも、サービス提供会社が電子化にあたって、どのようなセキュリティ対策を施しているか確認しましょう。
文書を回収する車両は完全密封車か、スキャン後の文書は適切に保管・廃棄を実施しているかなど、各業者のセキュリティ対策をチェックしてください。
2 費用対効果
文書電子化サービスにはさまざまなものがあり、サービス内容もそれぞれに特色があります。自分たちが求めるサービス内容と料金のバランスを見て、最適なサービスを選択しましょう。
たとえば、文書電子化と一緒に、不要になった書類を廃棄するサービスがあります。一方で、そもそもの書類整理に関して、コンサルティングしてくれるサービスも存在します。
このように、サービスの幅は業者によって異なります。料金が高ければいいサービスを提供する、というわけではありません。あくまでも自社に必要なサービスかを念頭に、利用コスト以上のメリットを得られるサービスを選びましょう。
3 文書情報管理士の有無
文書情報管理士とは、文書の電子化や電子保存に熟知していることを証明する資格のこと。言うなれば、文書電子化におけるプロです。
そもそも文書の電子化には、「e-文書法」と呼ばれる要件を満たしていなければなりません。この要件を満たしていないと、契約書のような重要書類を電子化しても、法的に認められない可能性があります。
とはいえ、知見のない会社が自分たちで電子化要件を満たすのは、なかなか難しいでしょう。文書情報管理士がいるサービスであれば、電子化にともなう要件の確認や相談ができます。しっかりとサポートを受けたい方は、文書情報管理士の有無を問い合わせてみてください。
文書電子化サービスの選び方は以上になります。最後に、サービス導入の注意点を次項で解説します。
文書電子化サービス導入の3つの注意点
最後に、サービス導入における3つの注意点を説明します。
- 社内の管理体制を変える必要がある
- 電子化にあたって手続きが必要なものもある
- システム面のリスクがある
注意点も踏まえて、本当に導入するか検討してみてください。
1 社内の管理体制を変える必要がある
文書電子化サービスは導入して終わりではありません。これまでの紙管理から電子管理に変わるため、ルールや管理体制を変更する必要があります。
例えば、電子化したデータはどこに保存するのか、不要になったデータの削除手順はどうするか、どのデータに誰がアクセスしていいのかなど。誰でもどこからでも資料を確認できる反面、アクセス方法を決めなければ情報漏えいにつながるかもしれません。
文書電子化のメリットを活用できるよう、社内の管理体制を見直しましょう。
2 電子化にあたって手続きが必要なものもある
紙の書類のうち、帳簿書類のような国税関係書類は「電子帳簿保存法」によって電子化の要件が決められています。
国税関係書類の電子化を考えているなら、税務署への申請といったしかるべき手続きが必要となります。もし申請を実施しなかった場合、電子書類が法的に有効と認められないため、紙で保存することになります。
文書の電子化は、単に紙をデータ化して終わりではありません。書類によっては、各種手続きが必要になることを覚えておきましょう。
3 システム面のリスクがある
文書を電子データ化して保存することは、システム面のリスクを抱えることを意味します。たとえば、データを保存している社内ネットワークで、システムトラブルが発生したとしましょう。その状況では、トラブルが解消されるまで資料にアクセスできなくなります。
文書の電子化は、どこからでも資料を確認できるメリットがある一方で、システムの稼働に依存するデメリットがあります。万一、システム障害が発生したり、サイバー攻撃を受けたりすると、正常に資料を確認できない状態になるかもしれません。
文書電子化サービスは、紙の紛失リスクをなくす代わりに、新たにシステム面のリスクを抱えることを頭に留めておきましょう。
まとめ
ここまで、文書電子化サービスの紹介および各種ポイントについて解説しました。文書電子化サービスには、以下5つのメリットがあります。
- 書類の検索および保管がしやすくなる
- 保管に掛かるコストを削減できる
- どこからでも資料にアクセスできる
- セキュリティ対策になる
- 環境保護への取り組みをおこなえる
しかし、文書の電子化はメリットばかりではありません。注意点も踏まえて、本当に導入すべきか検討しましょう。
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