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Tuesday, November 10, 2020

[竜王戦コラム]「総合力」で羽生九段と勝負、豊島竜王の静かな闘志 - 読売新聞

 第33期竜王戦七番勝負第3局は11月7、8日、京都市の仁和寺で行われた。平安時代に創建され、ユネスコの世界遺産「古都京都の文化財」の一角をなす寺院だ。境内の御殿「宸殿(しんでん)」に対局室が設けられた。6日午後、現地入りして戦いの舞台を検分した豊島将之竜王は報道陣によるインタビューに臨んだ。いつもの穏やかな淡々とした口調で、羽生善治九段を挑戦者に迎えている今シリーズへの抱負を、「総合力の勝負となってくると思うので、全体的な力を高めていきたい。もちろん、得意な形とか苦手な形とかはあるのですが、自信があることだけをやっていれば勝てるというわけではありません」と語った。

 総合力とは何か。心身のコンディションを整えること、相手の最近の指し方をよく知っておくこと、最大7局を指して勝ち越すための作戦を準備しておくこと……と、中身は幾つもありそうだ。本局で立会人を務めた福崎文吾九段は「勝負事で大きいのは、誰が相手かということ。今回は、通算100期目のタイトルを狙う羽生さんが相手ですからね」と話す。「羽生さんはどんな戦型にも『百も承知』という感じだし、押してくるなら引いてみるといったふうに緩急を付けるのも巧みです。対局前後の報道陣への対応、心の揺れを見せない対局中の態度には威厳がある。そうしたことすべてが勝負であり、自分も総合力で上回っていきたいと、豊島さんは決意を述べたのでしょう」

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