保育園で出た子供の使用済み紙おむつを保護者が持って帰る「おむつの持ち帰り」。以前は全国的に行われていたが、近年は園で処分する自治体が増えてきた。山梨県内でも30日、中央市が廃止の方針を発表。運用を検証する。市町村によって対応が分かれる中、保護者の受け止めや課題を探った。(鈴木希)
「実際に声を聞いて、持ち帰ること自体が負担になっていた。何とかしたい」。望月智市長は同日の記者会見でこう述べた。6月7日開会の市議会に、関連経費約320万円を含む補正予算案を提出する。市が検討しているのは、密封可能な災害用トイレの活用だ。今回、市内の全公立保育園6か所に約16万円のトイレ計8個を設置して試験的に使用し、園や保護者の反応、経費などを検証する。
同市臼井阿原の看護師・乙黒莉乃さん(30)は田富第一保育園に2歳の長女を通わせている。以前は勧めないと水分をあまり取らなかったため、交換したおむつの数で尿の確認をするなど、体調管理に役立てていたという。
一方、保育園から帰る時の車内はおむつの臭いが充満する。乙黒さんは「持ち帰るメリットもあるけど、色々考えると園で処分してくれたらありがたい」と歓迎する。
前村清美園長によると、おむつの持ち帰り廃止によって職員の業務に大きな影響はないとみているが、「実際に始まってみなければ分からない」という。
子育て支援事業を行う「BABY JOB」(大阪市)によると、持ち帰りは保護者の負担になるほか、新型コロナやノロなどのウイルス感染も含め、衛生面での懸念が大きかったという。
同社が2~3月に行った全国調査では、公立保育所がある1461の市区町村のうち約4割は「持ち帰りあり」と回答。子供の体調管理が主な理由だが、根拠なく続けている自治体も多かった。処分方法や予算の確保が課題とみられている。
読売新聞が県内自治体に尋ねると、公立保育所がある26市町村のうち13市町村で持ち帰りを行っている。今後本格的な議論に入る南アルプス市は、ゴミの回収頻度や処分費用を検討する。市が費用を賄えない場合、保護者の費用負担をどうするかも悩みの種だという。
一方、昨年8月に持ち帰りをやめた北杜市では、ゴミ処理担当の環境課と連携した結果、追加の予算はかからなかった。甲府市の担当者も「かばんに入れて持ち帰るのは衛生的にも良くない。特に夏場は心配なので廃止した」と話す。
からの記事と詳細 ( 「メリットもあるけど…」保育園で出た紙おむつは持ち帰るべき?園で処分する自治体も増加 - 読売新聞オンライン )
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