© REUTERS / Terray Sylvester
ガラパゴス諸島の火山は常に静かに玄武岩の溶岩流を流し続けているが、ある瞬間、大噴火を起こすことがある。この謎が解明されれば、地球上の他の火山にも応用することができる。調査した火山学者らが「ネイチャー・コミュニケーション」誌にいかなる条件で大噴火が始まるかについて発表している。
アイスランド、ハワイ、ガラパゴス諸島は、何千年にもわたって流動性の玄武岩の溶岩をゆっくりと流す火山が複数あることをよく知られている。溶岩は同じ道をたどって流れ、長い炎の川を形成しているが、地域住民へは被害を及ぼさない。
米国、英国、エクアドルの研究者らはガラパゴス諸島のヴリフ、フェルナンディナの2つの火山を調査対象に選んだ。これらの火山は常に玄武岩だけの溶岩流を噴出し続けている。ところが火山地下のマグマの化学成分、物理的特徴を分析した結果、マグマの深部は多様性に富んでいることがわかった。研究者の指摘では、地球内部からこれらの火山へのマグマの補給が続く限り、玄武岩溶岩の成分は変化しない。マグマだまりの中では常に攪拌が起きており、成分は平均化している。
ただし深部の循環に詰まりが起きて、常時行われていたマグマ補給が途切れる場合は、マグマ内部の揮発性化合物の濃度が高まり、結果として噴火が起きる。大噴火を起こさなかった火山でも、火口深部に化学的に単一ではない熱いマグマがあると、これが地球の核からの新しいマグマの補給を妨げてしまう。
科学者らは、この発見で火山の行動がより解明され、噴火の危険度を判定するモニタリングに一役かうと語っている。
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