(※写真はイメージです/PIXTA)
社外承継とは、子どもでも親族でも従業員でもなく、社外で活躍している経営スキルのある人に承継してもらうことです。近年、大企業や上場企業では、業界を越えてよく行われています。メリットは、経営者として実力を備えた人材を選び、承継できることです。株式会社M&Aナビ社長の瀧田雄介氏が著書『中小企業向け 会社を守る事業承継』(アルク)で解説します。
外部から優秀な人材を招聘する「社外承継」
親族内や社内に後継者を見つけられなくても、会社を廃業するには惜しい。そんな場合に考えたいのが、外部の優秀な人材に経営を引き継ぐ「社外承継」です。
社外承継における最大のメリットは、幅広い対象から後継者を選定できることです。親族内や社内にこだわりすぎると、本来であれば経営者に求められる資質や人柄に目をつぶり消去法の観点で選ぶことがありますが、外部人材であれば、そういった妥協とは無縁です。

事業承継の本質である「事業の継続」を実現する優秀な人材に後を任すことができる可能性は高いと言えます。
社内の役員・従業員にふさわしい人材が見つからなかったからと、社外承継に消極的な姿勢を示す現経営者もいるでしょうが、物事は捉えようで変わります。事業承継を機に会社を変革したいのなら、しがらみと無縁な外部人材は最適な存在です。
近年は大手企業でもプロ経営者に任せるケースが増えていますが、中小や小規模企業でも優秀な人材にたすきを渡し、さらなる飛躍を託すことができます。成長の芽がない、赤字経営に陥っているなど、誰も引き受けたがらない状態であったとしても、大胆な立て直しを期待することができます。
現経営者は高齢でDX(デジタルトランスフォーメーション)についていけないとしても、経営者をリフレッシュすることで、時代の波に乗り直すこともできるでしょう。
一方、これまで関係性のない人材に経営を委ねることになるので、親族内・社内承継に比べて、従業員や取引先といった関係者からすると、社外人材は心情的に受け入れにくいかもしれません。現経営者としても、限られた時間で信頼関係を醸成する必要があり、経営能力だけではなく相性も含めて、相手を総合的に判断することが求められます。
古参の役員からすると、新参者がトップになるのは複雑な心境であり、うまくいけばサポート役になってくれますが、場合によっては軋轢を生む原因になる恐れがあります。後継者からしても、いざ社長に就任したら会社風土が合わず、うまく変革できないということになりかねません。
他の方法と同じく、社外承継にもメリット・デメリットはありますが、とりわけ、優秀な人材を獲得できるチャンスであり、ネガティブになりすぎないことも大切です。雇用や取引先との関係など守りたいものがあり、廃業を選べないのであれば、社外承継も有効な選択肢になります。
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