足利銀行(宇都宮市)と群馬銀行(前橋市)が今月、締結した連携協定「りょうもう地域活性化パートナーシップ」。営業エリアが重複する両毛地区で顧客情報を共有し、融資や経営支援で相乗効果を狙う。同地区の中核である栃木県足利市と群馬県の桐生市、太田市で地域振興に力を注ぐ三商工会議所の専務理事に協定締結の受け止めや意義、今後の期待を聞いた。(梅村武史)
「驚きだった」と語るのは群馬銀行OBでもある太田商工会議所の橋本文男専務理事(66)。営業地域が競合する両行は、長年しのぎを削ってきたライバルだ。「銀行も生き残るため、新たなビジネスモデルを模索している。より顧客目線が進み、地域のメリットになるのでは」と分析する。
桐生商工会議所の石原雄二専務理事(69)は「群馬銀行桐生支店は地域支援に大きく貢献しており、さらなる期待が膨らむ。産・官・学などの連携に金融が加われば、より効果的な事業が期待できる」と好意的に受け止める。
足利商工会議所の福島靖専務理事(68)は「協定は歓迎。両行が持つ人や企業、空き工場、空き店舗など大量の情報を結集し、新規事業の開拓や見直しを進め、埋もれた地域力を引き出してほしい」と話した。
太田市周辺は自動車関連メーカーの集積地でもある。太田商議所の橋本専務は「電気自動車(EV)への対応など巨額の投資が必要になる。両行に積極的な協調融資をしてもらえれば大きな力になる」と話す。
足利商議所の福島専務は小規模事業者が多い足利市の現状に触れ、「コロナ禍で多くが体力を奪われ、いまは差し迫った状況にある。スピード感を持って動き、目に見える効果を出してほしい」と願った。
<両毛地区> 栃木県南西部から群馬県南東部にかけての産業集積地。人口は約80万人で、自動車関連や繊維産業が盛ん。人的文化的交流も盛んで、住民の県境意識は低い。近年は産業構造の変化やコロナ禍、半導体不足などに苦しみ、今後、生産人口の大幅な減少が見込まれるなど、取り巻く環境は厳しさを増している。
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