東証マザーズ上場企業の不動産会社、ロードスターキャピタル株式会社が運営するソーシャルレンディングが「オーナーズブック(OwnersBook)」です。
オーナーズブックは東京都心を中心とした不動産案件を扱っており、2021年2月時点の累計募集実績は208億円以上です。運営会社のロードスターキャピタル株式会社の業績も3期続けて好調な推移を見せており、オーナーズブックもその存在感を増しています。
オーナーズブックの参加方法には主に「貸付型」と「エクイティ型」の二つの方法があります。今回は、エクイティ型案件のメリットやデメリット、注意点をお伝えしていきます。
オーナーズブック(OwnersBook)
| サイト名 | オーナーズブック(OwnersBook) | |
| URL | https://ift.tt/1NSLAdn | |
| 運営会社名 | ロードスターキャピタル株式会社 | |
| 本社所在地 | 東京都中央区銀座1丁目10番6号 銀座ファーストビル2F | |
| 設立 | 2012年 | |
| 代表取締役 | 岩野達志
【代表経歴】 2000年よりゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパンにて自己投資・運用ファンドの不動産取得部門、2002年以降はアセットマネジメント部門。2004年からロックポイントマネジメントジャパンLLC ディレクターとしてエクイティ500億円以上、案件総額3,000億円以上を実行、ロックポイントグループの日本における不動産投資業務をリード。 |
|
| 資本金 | 14億2百万円(資本準備金とあわせて27億94百万円) | |
| 売上高 | 151億1,600万円(2019年12月期実績) | |
| 役職員 | 63名 | |
| 上場有無 | 東証マザーズ上場 | |
| サービス開始年月 | 2014年9月 | |
| 参考利回り | 2.0%~6.0% | |
| 投資金額 | 1万円から | |
| 投資実行額・応募総額 | 208億8,405万円(2021年2月5日時点の投資実行済案件総額) | |
| 運用期間の目安 | 3ヶ月~37ヶ月 | |
| 投資家会員数 | 22,895名(2019年12月末時点) | |
※2021年2月時点の情報となります。最新情報に関しては上記サイトを御覧ください。
目次
- オーナーズブックのエクイティ型案件の特徴とは
1-1.売却益まで見込んだファンドである
1-2.案件により最低投資金額が違う
1-3.一定の余裕資金が必要
1-4.不動産市場の影響を受けやすい
1-5.出資の手順が異なる - オーナーズブックのエクイティ型案件のメリット
2-1.売却益次第で高い利回りを狙える
2-2.実績のある不動産会社が運用を行う - オーナーズブックのエクイティ型案件のデメリット、注意点
3-1.不動産価格の変動次第で損失が発生する可能性がある
3-2.通常の案件より余裕資金が必要
3-3.案件の募集数が少ない
3-4.運用期間が長い - まとめ
1.オーナーズブックのエクイティ型案件の特徴とは
オーナーズブックのエクイティ型案件が貸付型とどのように違うのか、解説していきます。
1-1.売却益まで見込んだファンドである
オーナーズブックの貸付型案件はソーシャルレンディングと言われる投資方法です。
貸付型は不動産取得などで事業資金を必要とする会社への融資を行い、金利収入を得る方法であるのに対し、エクイティ型案件は投資家から集めたお金を単数または複数の特別目的会社(SPC)を経由した後に、不動産信託受益権を購入します。
不動産の運用を行い、家賃収入だけではなく売却益を見込んだ予定分配率を提示しています。そのため投資家に提供される利益は変動するものの、貸付型の案件より予定分配率が高くなる可能性があります。
1-2.案件により最低投資金額が違う
またエクイティ型案件は、最低投資金額が案件により異なっています。貸付型の案件では1万円からの投資は可能ですが、エクイティ型案件は50万円からの投資となっています。
1-3.一定の余裕資金が必要
エクイティ型案件は、最低投資金額が高いだけではなく投資金額に制限があります。
1つは、1案件に投資できる金額が、余裕金融資産の1/2未満であること。もう1つは余裕金融資産からオーナーズブックの案件に投資中の金額を覗いた金額が300万円以上であることです。
具体的には余裕金融資産が500万円、オーナーズブックに300万円を投資している場合、残金が200万円しかないのでエクイティ型案件には投資できません。
一方、余裕金融資産が500万円、オーナーズブックに100万円を投資しているときは下記のような形となり、100万円まで投資できます。
500万-100万-300万(必要残金)=100万(エクイティ型への投資金額)
1-4.不動産市場の影響を受けやすい
通常案件が貸付金利を投資家への配当金の原資としているのに対し、エクイティ型案件は不動産の売却益を配当金に含んでいるため、不動産の売却利益が配当に大きく影響します。
不動産市場が全体的に上昇傾向にあれば、売却益が大きくなるため配当金も増えますが、不動産市場が下落すると損失が発生するリスクがあります。
貸付型案件は金利収入となるため、契約期間中の配当金の利回りはあらかじめ決められていますが、エクイティ型案件の配当利回りは事前想定の数値であり変動する可能性があります。
1-5.出資の手順が異なる
オーナーズブックのエクイティ型案件は、貸付型案件と投資手順も異なります。
貸付型では、まず案件の募集告知があり、投資家は投資したい金額をデポジット口座に入金します。案件の募集が開始されたら、デポジット口座に入金した金額の中で、投資する金額を決めます。このように、貸付型では前もって入金しておく必要があります。
一方、エクイティ型案件は、募集開始した後にまず投資枠を入力し、投資できる金額を確保します。投資枠の確保が確定した場合、オーナーズブックから入金期限などを記したメールが来るので、期限までに自分が投資枠を確保した金額を入金します。
投資枠をまず確保してから入金する流れなので、エクイティ型案件の募集開始に入金が間に合わなくても投資できます。
2.オーナーズブックのエクイティ型案件のメリット
オーナーズブックのエクイティ型案件は、投資家にとってどのようなメリットがあるでしょうか。
2-1.売却益によっては高い利回りを狙える
エクイティ型案件は、不動産の売却益を出すことを狙って不動産物件を運用します。売却益が大きくなれば、投資家の配当益が大きくなるメリットがあります。
オーナーズブックの通常案件の予定分配率3~4%が多いのに対し、エクイティ型案件の予定分配率は年利7%以上のものもあります。
2-2.実績のある不動産会社が運用を行う
エクイティ型案件は、オーナーズブックや不動産運営の実績のある会社運営を行い、利益を投資家に配当します。
例えば、オーナーズブックの「秋葉原オフィスビル」というエクイティ型案件では、不動産物件の運用を運営企業であるロードスターキャピタルに任せることができます。
投資家自身が不動産物件の運用や売却を行う手間が発生せず、不動産のノウハウが豊富な不動産会社へ運営を委託できる点は、大きなメリットと言えるでしょう。
3.オーナーズブックのエクイティ型案件のデメリット、注意点
メリットだけではなく、エクイティ型案件のデメリットや注意点もしっかり把握しておきましょう。エクイティ型案件は運用や相場次第で損失が発生する可能性がある点は、注意点と言えます。
3-1.不動産価格の変動次第で損失が発生する可能性がある
エクイティ型案件は、不動産市場の変化、地価の変動の影響を大きく受けます。不動産価格が下落している状況下になると、売却益が出るところか当初の購入価格より不動産が安い価格でしか売れず、損失が発生する可能性もあります。
収益性が一定である通常のソーシャルレンディング(貸付型)よりも、ボラティリティが大きく高リスクになる点は注意をしておくべきポイントです。
3-2.通常の案件より余裕資金が必要
オーナーズブックでは、エクイティ型案件に投資するときは、一定の余裕金融資産が必要であることから、自分の運用資金の大半をエクイティ型案件に回して投資できないデメリットがあります。
エクイティ型案件への投資を検討しても、資金状況によっては運用できない可能性にも注意しましょう。
4-3.案件の募集数が少ない
2021年時点、オーナーズブックでのエクイティ型案件の募集実績は累計でも2件と、募集件数はあまり多くはありません。
エクイティ型案件への投資を検討するのであれば、募集があったら見逃さないようにしましょう。
3-4.運用期間が長い
オーナーズブックのエクイティ型案件の運用期間は、これまでの数字を見ると3年弱~5年に設定されています。
長期間自分が投資した資金を拘束されるという点にも注意しましょう。また運用期間が長いと、相場変動のリスクが高くなり、損失がでる可能性も高まる点に注意が必要です。
まとめ
オーナーズブックのエクイティ型案件は、不動産運用をプロに任せることができ、その運用益を期待できるメリットのある案件です。ソーシャルレンディング案件より、利回りの変動幅が高くリスクを取りながらもリターンを目指したい人が検討しやすい投資対象と言えるでしょう。
ただし、長期運用が前提なので、長期間の資金拘束リスクや市場変動リスクには注意が必要です。余裕資金が少ないと投資が検討出来ないデメリットもあるため、確認しておきましょう。
HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム
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