ファミリータイプのマンションなどには、部屋の1室が和室になっている間取りが見られますが、この和室の使い方は、意外に難しいものです。
持ち家の場合、和室を洋室にリフォームして利便性を高める選択肢もあります。メリットやデメリット、そして費用の相場を知っておきましょう。
和室を洋室にリフォームするメリットって何?

リフォームやリノベーションによって和室を洋室に変えると、お部屋全体の雰囲気が変わり、モダンな印象を生み出すことができるほか、利便性が高まるなどのメリットも。主なものを見ていきましょう。
掃除やお手入れが楽になる
和室といえば畳ですが、きちんと丁寧に手入れしないとカビが発生したり、劣化が進んだりするおそれがあります。加えて、定期的に干す必要もあり、傷んでしまった場合には張替えることになります。
洋室に変えてフローリングにすれば、掃除機や雑巾で簡単に掃除ができ、張替えたりする必要はありません。飲み物をこぼしてしまった場合なども、楽に処理できます。
好きな家具を置くことができる
和室の場合は、畳が傷んでしまうため、重たい家具を設置することができませんが、洋室ならそのような問題を気にせずに設置できます。
また、洋室への設置を前提につくられている家具が多いので、購入する家具の選択肢が増え、部屋の雰囲気に合う家具を選びやすくなります。
介護やバリアフリーに対応しやすい
将来的に在宅介護が必要になった場合、布団からベッドに変更することが多いので、ベッドを設置しやすいフローリングのほうがスムーズに準備を整えられます。
また、室内で車椅子を利用することになった際のバリアフリー化においても、動線を整備しやすく、移動が簡単です。
和室を洋室にリフォームする際の注意点
和室で過ごすことに慣れている場合は、洋室にリフォームすると、意外な形で不便を感じるかもしれません。特に以下の2点については注意が必要なので、不自由が生じないかどうかリフォーム実行前に考えておきましょう。
足元が冷えやすい
和室の畳に比べると、洋室のフローリングは冷たく感じやすく、特に冬場は、足元から冷えてしまうことがあります。そのため、靴下やスリッパを履いて過ごすか、床暖房を導入するなどの対策をとる必要があるでしょう。
生活音が響きやすい
フローリングは畳よりも硬く、衝撃を吸収しにくいので、歩く音などの生活音が響きやすくなります。マンションやアパートの場合は、特に真下の部屋に音が響きやすくなるので、早朝や深夜といった時間帯は気をつけなければなりません。
和室を洋室にリフォームするアイデアと費用

洋室にリフォームする際の費用は、元の和室の広さや設備によって内容が変わり、費用も異なります。代表的なリフォーム例は、以下の表でご紹介している5点なので、一般的な建材を使用した場合のそれぞれの費用相場を知っておきましょう。
| リフォームの種類 | 費用の相場(6~8畳の場合) |
|---|---|
| 畳をフローリングに変更 | 20~30万円 |
| 壁や天井のリフォーム | 20~30万円 |
| ふすまを引き戸やドアに変更 | 10~15万円 |
| 押し入れをクローゼットに変更 | 15~25万円 |
| 全体的に洋室へリフォーム | 50~80万円 |
畳をフローリングに変更
畳はフローリングよりも分厚いため、取り外してフローリングを敷き詰めるだけでは、高さを合わせることができません。そのため、下地をつくる基礎工事もセットになります。こういった工事も含めて、20~30万円がリフォームの相場になります。
価格の振り幅が大きくなっていますが、これはフローリング材によって料金が変動するためです。木材をそのまま切り出して加工している無垢材ほど高く、さまざまな木材から合成して加工している集成材ほど安いという特徴があります。
壁や天井のリフォーム
和室の壁や天井は、洋室とは違った雰囲気の素材を用いられていることが多く、壁紙や天井に和の雰囲気が残ったまま洋室にリフォームすると、違和感が生まれます。
天井まで含んだリフォームにかかる費用は20~30万円程度で、こちらも材質や部屋の面積によって、料金が変わります。
ふすまを引き戸やドアに変更
和室の仕切りはふすまでつくられていることが一般的ですが、これを洋風のドアに変更するための工事には、10~15万円がかかります。
ただし、ドアの枚数が多い場合や、高級感を出したい場合には、その分料金が上がります。
押し入れをクローゼットに変更
押し入れの見た目と中身をクローゼットに変更する際にかかる費用は15~25万円が相場で、大きさや機能によって、費用が変わります。ウォークインクローゼットを希望する場合はさらに予算が上がり、50万円ほどが必要です。
全体的に洋室へリフォーム
これらのリフォームをすべてパックにして希望する場合の合計予算は、50~80万円と見積もっておきましょう。
部屋の面積や使用する建材など、リフォームの内容によって費用に大きく差が出るので、どの部分にお金をかけ、どの部分で節約するのかを考えることが、安く済ませるためのコツです。
まとめ
普段使わなくなったり、不便を感じたりしている和室を洋室にリフォームすると、お手入れが楽になり、在宅介護が必要になった場合にも利便性が高まります。
全面的なリフォームにかかる費用は、6~8畳で一般的な建材を使用した場合は50~80万円程度が相場であり、工事する箇所ごとにリフォームの内容を細かく選ぶことで、費用を安く抑えられます。和室を有効活用したい方は、洋室へのリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
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June 30, 2020 at 10:00PM
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