交通事故を起こしたときには、自賠責保険の範囲だけでは補償が不十分な場合が多いものです。事故を起こした際の補償金額を補うためには、別途「自動車保険」や「自動車共済」に加入する必要があります。保険会社が提供する自動車保険とは違い、自動車共済は、特定の地域や団体が事故に見舞われた方を助ける仕組みで運営されています。ここでは、共済が提供する自動車共済の利用を考える方に向けて、加入のメリットとデメリットを紹介します。
自動車共済の仕組みは？
自動車事故に対する保険というと、損害保険会社が提供する自動車保険を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。自動車事故に対する補償には、自動車保険以外にも共済組合が提供する「自動車共済」があります。自動車共済とは、自動車保険とは違い、組合の加盟者同士で助け合う仕組みで運営されています。
自動車共済の提供・運営は、消費生活協同組合や農林共同組合がおこなっています。不特定多数の方に補償を提供する自動車保険とは違い、組合に加入している方を対象に事故への補償を提供する仕組みです。事故への補償金額が少ないこともありますが、掛け金が安く済むというメリットがあります。
自動車共済を利用する際には、出資金を払って共済組合に加入することが必要となります。組合に加入するためには、特定の条件を満たすことを求められる場合があります。組合によって加入条件は異なりますので、詳細は共済組合か代理店に問い合わせてみるのが良いでしょう。
自動車共済のメリット・デメリット
自動車共済のメリットは、掛け金がリーズナブルであることです。損害保険会社が提供する自動車保険とは違い、自動車共済は営利を目的としたものではないからです。料金の面の安さだけではなく、補償のバランスの良さも、自動車共済の魅力です。少ない保険料でバランスの取れた補償を受けることができるのです。
コストパフォーマンスに優れた自動車共済ではありますが、自動車保険に比べるとデメリットもあります。損害保険会社から提供される自動車保険には、さまざまな特約を付加することが可能になっています。保険会社によっては、独自のパッケージングを施し、格安な料金で提供するところもあります。掛け金が安くなるイメージのある自動車共済ではありますが、求める補償内容によっては、自動車保険より高くなるケースがありますので注意が必要です。
運営母体の安全性を見ると、自動車保険の場合は、保険会社が破綻したとしても損害保険契約者保護機構により契約内容は保証されますが、自動車共済は、経営破綻した場合、契約内容が保障されないデメリットがあります。
自動車共済を利用する際の注意点
自動車共済に加入する場合の注意点として、等級が引き継げないケースがあることです。自動車保険に加入している方が、自動車共済への加入を検討する際、等級を引き継げない可能性があります。小規模の共済組合の利用を考える場合には、事前に引き継げるかの確認を済ませておきましょう。
保険会社と比べ、自動車共済では、事故に対するサービスが劣っている場合もあります。保険会社の多くでは、24時間対応で事故処理に対応してくれますが、共済組合によっては対応できないことがあります。対応時間以外に、レッカー移動などのロードサービスの提供が不可の場合がありますので、事前に確認しましょう。
事故を起こした際に、相手の遺族に対しての補償が必要になることがあります。自動車共済の中では、保険会社が提供する自動車保険と比べて、遺族の生活保障や、子供の学費をカバーできる金額が支給されないケースがあります。掛け金の安さだけで契約するのではなく、さまざまなリスクの面を考慮した上で検討を進めましょう。
自動車共済に加入を検討される方は、自動車保険との違いを理解しておくことが大切です。少ない掛け金で加入することが可能な自動車共済ではありますが、補償内容やサービスが劣る場合もあります。契約に際しては、自分が求める補償内容を明確にしておきましょう。保険会社から共済組合に移行する場合には、等級制度を引き継げないことがありますので注意が必要です。
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June 17, 2020 at 02:56PM
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